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「ね、顔上げてくんなきゃ、可愛いAちゃんにキス出来ない」
『ゃぁっ……///』
「やじゃない。ほら、顔上げろよ」
『はずかしっ……///』
だけど組んでた腕を解いて、Aちゃんの頬を手で挟んで無理やり、顔を上げさせる。
『ん、しょぉ、くん……///』
「何でそんな可愛いの？そんなこと言われたらたまんねぇだろ」
『だって……///』
「それにね、そんな可愛いこと聞いちゃったら、キスしないでなんて、無理だから」
俺が頬を挟んでるせいで、少し尖ってる唇に、キスをする。
深くて、執拗に音を立てて絡み合うオトナのキス。
頬にあった手を、するすると下に降ろして行って、腰を抱き寄せた。
『ん、しょぉ、くん、あの……！』
キスに夢中になりかけた俺の胸を押し返すから、手を止めてAちゃんの話を聞く。
『シャワーだけ、浴びさせて……？お願い……』
「いいよ。先に浴びておいで？俺も後で浴びるから。バスタオルは置いてあるの使って？」
『ごめんなさい……すぐ出ます……！』
小走りで風呂に向かって、シャワーを浴びる前と同じ格好で、本当に5分位ですぐ出てきた。
俺が色々考えてしまう前に。
「じゃあ俺も浴びてくるから待ってて」
『はい……///』
・
翔くんがシャワーを浴びてる音が
ただの水音なのに、私の耳に何度も反響して、胸をドキドキさせた。
今さっき、訳が分かんないまま、何も考えられないうちに急いでシャワーを浴びて出てきちゃったけど
翔くんのお家でシャワーなんて、あの雨が降った日以来で
その時のシャワーは、雨に濡れたからってだけの意味しか持たなかったのに……。
翔くんから言われた言葉に、心臓があり得ないほど強く打ち付けてきて、痛くて思わず声と吐く息が震えてる。
胸元でぎゅーっと拳を作って胸に押し当てても、どうにもならなくて
握りつぶされそうなほど痛くて、心臓が震えてくる。
この後することの想像が出来なくて怖い……。
私、どうなるの？
ちゃんと出来るのかな……。
学校の保健体育で教わってきたものを頭に思い浮かべれば、文字で見てそのしくみを理解してるつもりなのに
きっとその行為は、それだけじゃないってことが何と無くしか分からない。
それに、翔くんの最近のキスは息が苦しくなるほどで、頭の中に酸素が回らなくなる。
ぼーっとして、やめて欲しいのに、やめて欲しくなくて、もっともっとって思っちゃう。
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作者名：鈴
| 作成日時：2015年10月10日 18時
