鈴蘭の咲く頃4【ars/S.S】 (ページ24)

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あと、大放水と一緒に写真が撮れるように、機械が置いてあって、やったらよく分かんないうちに撮られちゃって(笑)

本当は遊覧船のガルべに乗りたいんだけど、そうするとギッチギチになっちゃうから諦めて、ダムカレーを食す。

『美味しいですねー！ほうれん草ですかね？』

「ねぇ、うまぁ」

『お腹空いてたので、余計に美味しいです(笑)』

「はは、よかった！」

『あと、翔くんと食べるから、もっと美味しいです』

なんてサラッと言うもんだから

「照れるわ！」

Aちゃんの髪をくしゃくしゃ撫でると

さっきのお返しです、ってくすぐったそうに笑ってくれる。

今日は何回、可愛いって思えば良いのかな。

ほんと、可愛い。

死ぬほど可愛い。

2人してあっという間に食べ終わって、さっきの機械で撮った写真をもらって、また車で移動。

「腰、痛くない？」

『んー、大丈夫です。時々体勢変えてるし、時々降りてるので』

「そう。無理しないでね？じゃあ次は、散歩しまーす。紅葉に囲まれて、のんびりしましょ」

『え、お散歩！意外！翔くん、お散歩好きなんですか？』

「ん？だってさ、のんびりといえば散歩でしょぉ～？それにね、森林浴ですよ。秋の紅葉で」

「へぇ！秋の森林浴も素敵ですね。楽しみです」

2人でウキウキで東京へ向かいがてら、目的地へ。

『ここ、公園ですか？』

「そう。広いし、川とかも流れてて、空気も澄んでるし、夏とはまた違って綺麗だと思うよ」

可愛い彼女と指を絡めて手を繋いで、公園内を散策。

「あっ、ほら……！」

『わぁ……！』

駐車場からちょっと歩くと、道の両脇に、綺麗に色づいた木々が道に沿って、空に向かって伸びてる。

綺麗な赤、黄色の葉と、真っ青な秋晴れの空の下に、たまたま俺たち2人だけしかいなくて、なかなか良い雰囲気。

『独り占めですね。この道も、空気も、雰囲気も。すごく気持ちが良いです』

「違うよー。2人占め、でしょ？」

『んふふ、そうですね、2人占めです』

時々Aちゃんの顔も撮りながら、のんびり並んで歩いてく。

その時

『あっ！』

俺の手を離して、真っ赤な紅葉に手を伸ばしながら近づいて、上からヒラヒラと落ちてくる葉をうまく取れた瞬間

『しょぉくん、見てー！取れたぁ！！』

子どもみたいな屈託無い笑顔で、俺に見て見てって言いながら駆け寄ってくる。