鈴蘭の咲く頃4【ars/S.S】 (ページ18)

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くれようとする子は、毎年何人かいるけどさ、入社した時くらいから、Aちゃんのこと好きだから、色々理由つけて断ってた。

って本当は言いたいけど？

言いたいけどさ、多分それ聞いたらキモいでしょ(笑)

俺がAちゃんの立場だったらちょっと引くもん。

「なんとも思ってないのに、もらったら可哀想かなって。だからしばらくは、本命もらってないから、次こそ本命チョコ欲しいなぁ？」

って、当たり障りない答えを、Aちゃんの顔を覗き込んでお願いすると

『んー、頑張ります……！』

「約束ね？」

『はい！』

ふふんって可愛く笑って、またもぐもぐご飯を食べ始める。

んあー、もー。

可愛い、可愛い、可愛い。

帰したくねぇな、帰したくない。

本当に閉じ込めたい。

朝も昼も夜も……1日中Aちゃん見てたい。

だって、見てて飽きねぇもん。

くるくる表情変えてさ、笑ったり、恥ずかしがったり、喜んだり、ちょっと拗ねたり？

この先、Aちゃんの目に俺以外の男の顔なんて映したくねぇな。

穢れがなくて、可愛くて、綺麗で、儚くて、壊れちゃいそうなのに、時々俺なんか必要ない程頼もしくて……。

本当に全部が可愛い。

俺の細胞一つ一つがAちゃんの全てを欲しがってる。

心も身体も全部、全部、全部。

細胞の一つも余すことなく俺に向いてて欲しい。

もうさ、いい加減、俺の手の中に落ちてこいよ……。

なんて、馬鹿みたいに、嫉妬した俺の1日が終わっていった。