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やっと独り占め出来んだから、まずスキンシップからでしょ。
「あ、香水付けてんね」
『はい。だって翔くん、ヤキモチ妬くって言ってたので、せめてと思って香水つけてみました』
顔を俺の胸に埋めながら言ってくれる。
「はぁ、可愛い。そういうとこ、本当可愛い。好き、大好き」
『私も、翔くん大好きです……』
Aちゃんの一つ一つの言葉もだし、そういうところが、本当に可愛くて、愛おしくて、胸がキュンキュン締め付けられる。
「具体的にどこが好き？」
『えっ、と。笑顔と、声とぉ。あと、ちゃんと話聞いてくれたり、聞くだけじゃなくて、アドバイスくれたり……大人なところです』
「あとは？」
『あと？うーん。ちょっとキザっぽいとことかぁ、優しいとこ？頭良かったり、物知りだし、えーっとぉ……』
「もう、ない？意地悪な翔くんも好きって言ってたよね？」
『好き、ですけど……？』
「じゃあちょっと意地悪していい？」
『えっ……？』
Aちゃんの返事を待たずに、身体をさらに抱き寄せて、唇を掬うようにキスを一つ。
「ね、ちょっとだけ、口開けて？」
その言葉に、不安そうに俺を見上げながら目を潤ませる。
ぅわ、この表情たまんね。
すげぇ可愛い。
俺が見つめると、唇を微かに震わせて、ほんの少しだけ、開けてくれた。
その、僅かしか開けてくれてない、赤くて美味しそうな唇に
初めて俺の舌を、口内に無理やりねじ込ませる。
『んっ……！』
初めての感覚に、身体が強張ってだんだんAちゃんが仰け反るから
頭と、腰をしっかり支えて逃げられないようにして
更に口も閉じようとするから、それをも阻止するように、舌を強引に絡ませていく。
そのうち、Aちゃんの舌はどうしていいか分からずになされるがままで
それをいい事に、何度も舌を絡めて、何度も角度を変えてイヤラシイ音を立ててキスをした。
こういうキスをする時の舌の絡め方も、息の仕方も、タイミングも分からないからか
苦しそうに俺の胸板に手を当てて、押し返してきたから唇を離してあげたら
『んぅ、しょ、くん……、やめ……！』
その瞬間、Aちゃんが膝から崩れ落ちそうになって、危ないと思って、また強く抱き寄せたんだけど
それも虚しく、へなへなと床にペタンって座り込んだ。
「はぁ……。もう、おしまい？」
俺もしゃがみ込んで、Aちゃんの目線に合わせる。
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作者名：鈴
| 作成日時：2015年10月10日 18時
