鈴蘭の咲く頃4【ars/S.S】 (ページ12)

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翔くんに許可を得て、高校の男友達と遊ぶことにした。

本当はこういうのって、彼氏がいたら行くべきじゃなさそうだけど……

翔くんの言葉に甘えちゃった。

だって、やっぱり女子校の友達とは違って全然楽だもん。

例えば、ジュースだって机に肘付いて飲めるし、氷だってガリガリ食べても変な目で見られないし。

あとは、思いっきり笑えるから。

それに、翔くんといる時間とはまた別の楽しさがあるから……なんて思う私ってどうなんだろ。

悪い子なのかな……。

現地集合だから、待ち合わせより10分前に行くと

『ねぇ、水族館の時もだったけど、今日もみんな早くない？待ち合わせ時間間違ってないよね？(笑)』

リュウ「間違ってないよ(笑)ほら、行こ？卒業式の日、Aだけ行けなかったからさ」

あの日、ずっと何も言わずに5人とも一緒に待ってくれて

もうダメかなって諦めて、帰ろうとした時、気分転換に誘ってくれたのに

私のワガママ通り、翔くんが迎えに来てくれたから、すっぽかしちゃったの覚えてて誘ってくれた。

初めてのカラオケ屋さんの中は、受付にいるのに煩いほど音楽が漏れて、部屋に入ったら耳がおかしくなりそう。

みんなでフリードリンクの飲み物を持って部屋に行く。

シュン「とりあえずさ最近みんなどう？」

『えっ、歌わないの？』

みんな忙しくて会えてなかったから、近況報告からって、カラオケに来てるのに、学校がどうとか、可愛い子がいてとか、バイトしててとかいろいろ話した。

少し周りがうるさいからか、いつもより大きな声で、聞こえるようにみんな自然と距離が近くなる。

カズマ「Aは？先生と、仲良くしてる？」

『うん。先生のお友達と、河原でバーベキューしたり、海に行ったりして楽しかった！！今日もね、迎えに来てくれるの』

マサシ「へぇ、ラブラブじゃん？」

『うーん、ふふ、どうかな……』

久しぶりに口に出した“先生”っていう単語に、まだ片思いしてた時の思いがよみがえって、胸がくすぐったくなった。

やっぱり気になって、翔くん、今なにしてるのかな、なんて考えちゃう。

リュウ「でもさ、ラブラブじゃなかったら困るな？身ぃ引いたんだからさ」

カズマ「そうだよ。ずっと仲良しでいてもらわないと。俺らの気持ちが報われねぇじゃん」

『……ん。そうだね、ありがとう』

結局この後も、話がすっごい盛り上がっちゃって、一曲も歌わずに時間が終わっちゃった(笑)