鈴蘭の君【ars/S.S】《完結》 (ページ6)

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和「でもさ、ほんとに好きな子から好かれなきゃ意味ないでしょ？」

ってニノはAの笑顔とは対照的な、寂しそうな笑顔で返して

『好きな子いるんだ？その子、きっと嬉しいだろうね。和くん、一途そうだもん』

そう言って、やっぱりふんわり笑ったA。

ニノから、その時ちゃんと

Aのこと好きになったから……

なんてさらっと口に出来たらなんか変わってたかもなって卒業してから、聞いた。

まぁ、言ったところで何股もしてたんだから、信用されなかっただろうけど(笑)

・

雅「ねぇねぇ！そういえば覚えてる？初めての体育祭の騎馬戦！」

智「あぁ(笑)Aちゃんバランス崩しちゃって、落ちちゃってねぇ！」

『危なかったよねぇ。智くんが居なかったら落ちてた！ありがとう！』

智「むふふ、あん時のAちゃん、かーわいかったなぁ。ぎゅーって目ぇ瞑ってさ、痛くないって分かったらぽかーんって顔して」

『だって、絶対痛いと思ったんだもん！そりゃ、びっくりするよ！目ぇ開けたら、お姫様だっこだもん！』

潤「それ見て、翔君とニノが、いつまで抱いてんだ、離れろって怒って走ってきてさぁ(笑)」

翔『だってねぇ？(笑)』

和「羨ましかったんだよ」

『……懐かしいね？』

潤「ねぇ。もう10年？だもんね。旦那さんになる人とも、それくらい付き合ってるよね？」

『そうだねぇ。高校卒業した日からだから。よく続いたよね……(笑)』

和「一途だな。Aも」

『和くんも、一途でしょ？』

和「くふふ、まだ一途に思える人、見つかってないけどね？」

『見つかるよ。すぐ』

翔「でもさ、1回離れたじゃん。向こうがアメリカ行くっつって。2年？だっけ？」

『うん。その時すーっごい寂しかったぁ。遠すぎてね、絶対終わるかと思った』

智「なぁに言ってんの(笑)向こうがアメリカ行きのチケット、用意してくれてしょっちゅう会いに行ってたくせにぃ」

『1年に1回だけだし、トンボ帰りだったもん……///』

雅「今も昔も。大事にしてくれてんじゃん、ちゃんと」

潤「大事にしててくんなきゃ困るわ(笑)」

翔「そうだよ(笑)」

和「向こうがアメリカ行っちゃって、マジで捨てられたら、拾おうかなって思ったことあったけどね？」

『和くんに拾われるのか……なんか怖い！』

和「何でだよ！」