鈴蘭の君【ars/S.S】《完結》 (ページ34)

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和「いそう(笑)うちの学校のやつらも」

智「Aちゃんも。……行くよね？」

みんなが窓に背を向けて、Aの気分を変えさせようと、教室から出ようとした時

Aが急に、ごめん、行けないって、教室を飛び出した。

その日もやっぱり鈴蘭の香りを纏ってて。

走り去った後の、残り香が俺の鼻を掠めて

この匂いをかぐのも、もしかしたら最後かなって。

みんなで急いで窓の外を見ると、先生が車から出てきて

それに向かって一生懸命走るA。

先生も両手を大きく広げて、走ってきたAを強く優しく抱きしめてた。

しばらくすると助手席から、小さな花束をAに渡すと

Aはそれを大事そうに見つめて、多分泣いたのかな？

先生がAの目線まで腰を屈めてから、頭をぽんぽんって優しく撫でてた。

そしたら夕日に照らされた2人の長く伸びた影がゆっくり近づいていって

Aが嬉しそうに先生を見上げると、先生も愛おしそうにAを見下ろしたら

優しくAの頬と肩にそっと手を添えて、頬に添えた手で、髪を梳きながら頭の後ろへ滑らせてから、首を少し傾けさせて……

和「うーわ、見てらんねぇわ」

潤「ドラマかって」

雅「でも、Aちゃん綺麗」

智「先生も、かっけぇな」

翔「……良かったな、A」

2人はキスした後、おでことおでこを、くっつけて、また抱き合って

きっと好きだよとか言ってんのかなって

めちゃくちゃ悔しかったけどね？

でも、ちゃんと良かったなって思ってやれてよかった。

ここで、やっと吹っ切れた自分を褒めてやりたい。

まぁ、そのあとニノと散々カラオケで騒いだけど。

それでもAにおめでとうってどうしても言いたくて、でも一人じゃ言えなくて

みんなでAにメールした。

みんながなんて送ったかは知らなかったけど、俺は

おめでとう。これからも友達だからな？卒業しても、またみんなで会おうよ。

って送った。

会おうなんて、未練がましいかもしんないけど友達だから。

そこだけは終わりにしたくなかった。

そしたら、Aから

ありがとう。ファミレスもカラオケも行けなくてごめんね？またいつか、みんなで一緒にね？

って返ってきた。

その言葉だけで、友達続けられるんだって、俺の恋が報われた気がした。

そんできっと俺の予想は、ずっと友達だよってみたいなことをみんなも送ったから

卒業しても、こうやって会えてんのかなって思う。