鈴蘭の君【ars/S.S】《完結》 (ページ32)

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和「でしょ？で、誰からとか言わなかったけど、勘づくじゃない？旦那からもらった香水つけてる時点で振られてるようなもんだし。それでも言いたくて……Aからしたら迷惑だっただろうけど。しかも、好きって言う前に聞いちゃったから。だから言えなかった」

智「そん時Aちゃんなんて？」

和「困ってたよ。でも、気まずくなるの嫌だから普通にねって言って……でも、諦める代わりに1個だけお願い聞いてもらった」

雅「何、お願いしたの？」

和「和くんなら、大丈夫。和くんに大事にされる子は幸せだろうね？って言ってって」

雅「なんでそれなの？ちょっとキツくない？だって、ニノがAちゃん幸せにしたかったでしょ？」

和「そこまでは高校生のガキだったからなかったけど(笑)Aがあのクラスに来て1ヶ月ちょいしたくらいかな？忘れ物とりに行ったら、日誌書いてて、校門で俺を待ってる女の子見ながら、そう言ってくれたから。ちゃんと俺のこと見てくれてたんだって思って、その日から好きになって……。だからもう1回聞きたくてお願いした」

智「へぇ。Aちゃん、ニノのこと分かってたんだね」

潤「洞察力がね、優れてるよね。Aは」

雅「じゃあ、翔ちゃんは？」

翔「俺はねぇ……(笑)」

その時を思い出して、思わずにやける。

和「なんか怖ぇな」

智「翔ちゃん、意外な行動を女の子に示す時あるからなぁ」

潤「やばいやつはやめてね？(笑)」

翔「大丈夫だよ！髪をね、気がついたら触ってたんだ。Aのサラサラの髪。で、指に絡めて……」

雅「結構大胆にいったね！(笑)」

和「髪触るって結構よ？で、したの？キス」

翔「出来るわけねぇじゃん！あわよくば絡めながらとか思ったけど？いい匂いだねって言ったら、和くんと同じこと言うんだね、だぜ？(笑)びっくりしたわ、先越されたって。で、やっぱりもらった香水っていうからさぁ。旦那からもらったやつって分かるから落ち込むでしょ。でも、その香水つけててもAには変わりないから、好きです。付き合ってくださいって言ったら、当然だけど困った顔してたわ」

潤「言ったね！(笑)」

翔「うん。答えはもちろんごめんねだよね。だからAに好きな人いるの？って聞いたら、うんって言うから、どんな人って聞いたら、先生……って。でも、Aが片思いしてるだけだし、妹としか思われてないかもしれないから、この先どうにかなるなんて思ってないって」