269話 オール・フォー・ワンとの会話 ページ20
AFO「察してくれよ！久々に会話が成り立つんだぜ？」
オールマイトとオール・フォー・ワンが話しているところを、看守達は警戒してその様子を見守っていた
オールマイト「死柄木弔は今どこにいる？」
AFO「知らない、君のと違い彼はもう僕の手を離れている」
沈黙したあとオールマイトが再び問いかける
オールマイト「……貴様は何がしたい…何がしたかった…人の理を超え、その身を保ち生き永らえながら…その全てを搾取、支配、人を弄ぶことに費やして…何を為そうとした？」
AFO「生産性のない話題だな…聞いても納得などできやしないくせに、わかりあえない人間ってのは必ずいるんだから、同じさ君と同じだよ
君が正義のヒーローに憧れたように、僕は悪の魔王に憧れた。シンプルだろう？
理想を抱き、体現できる力を持っていた。永遠の理想の中を生きられるのなら、その為の努力は惜しまない…」
オールマイト「ならば、なぜ後継など………」
AFO「君がそれを聞くかあ！ハッハッハ面白い！」
オール・フォー・ワンは高笑いしてオールマイトに話し出す
AFO「君が全て奪ったからだろう！？僕の体を見ろ、この管で僕はようやく生命を維持してる。無限に思えた僕の理想は、君の登場によって有限となったんだ」
オール・フォー・ワンはある例えを上げた
AFO「終わりがあると知れば人は託す、何だってそうさ、そこかしこに建つ家やビル。何気なく口にする食品、全て人から人へと託され発展してきた
皆がやってる事を、僕もしようとしてただけさ…ﾊｧ…愛おしい虹美に会いたいなぁ…」
オールマイト「貴様に聞くが、何故そこまで優威少女に執着しているのだ。それと神野事件のときに貴様は何をした。優威少女に一体何をした」
AFO「気になるか…まぁ、いいだろうオールマイト…特別に教えてやろう、僕が虹美に初めて会ったのは、本当に偶然のことだった…」
遡ること11年前のこと…
AFO「あのとき、たまたま僕がハンカチを落としてしまった時があった。僕は気づいていなかったが、あの子は僕のハンカチを拾ってくれたんだ…」
虹美「あの…ハンカチ落としましたよ」
AFO「ああ…拾ってくれたのかい、ありがとねお嬢さん」
虹美「あ！怪我してる…」ｷﾞｭ
AFO「あの子は小さい手で優しく僕の手を握った。その時、僕の手には傷があってね…あの子はその傷を治し癒やしてくれたのさ」
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作者名：N.I | 作成日時：2022年9月11日 14時
