私のヒーロアカデミア少女と運命の刃５章 (ページ30)

今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:10,603 hit

232話　超常黎明期の話ページ30

虹美「そうなんですね…やっぱり彼に「ワン・フォー・オール」を渡して正解ですよ…彼はそのくらいの力を宿せる価値があるから…」

オールマイト「もしかして気づいていたのか？」

虹美「いえ…知ったのは神野事件のときです。オール・フォー・ワンがそう言っていましたから…」

私は、神野事件のことを思い出していた。あのときオールマイトがオール・フォー・ワンとの、最後の戦いを終えた日のことを…

オールマイト「優威少女…どうしたんだい？」

虹美「あ…」ﾎﾟﾛ

私は気づいたら涙を流していた

オールマイト「大丈夫かい？ほら、これで涙拭きなさい」

虹美「すみませんオールマイト、実はオール・フォー・ワンにされたことを思い出してしまって…」

私は記憶が思い出していくうちに、オール・フォー・ワンが私にしたことを思い出してしまい…気づいたら涙がとまらなくなっていた

虹美「うっ…っ…」

オールマイト「辛いなら、泣きなさい…優威少女…私がそばにいるから」

オールマイトが私を抱きしめて、優しく頭を撫でてくれた。私はオールマイトの胸の中でたくさん泣いた

オールマイト「大丈夫かい？」

虹美「もう大丈夫です。それで…その個性は特別な力を持っていますが…どのようにして、その個性が生まれたんですか？」

オールマイト「ああ…その個性、ワン・フォー・オールは元々ある一つの個性から、派生したものだ」

虹美「派生した…もの」

オールマイト「オール・フォー・ワン、他者から個性を「奪い」己がものとし…そしてソレを他者に「与える」ことができる個性だ」

虹美「オール…皆は…一人の為…？」

オールマイト「これは超常黎明期、社会がまだ…変化に対応しきってない頃の話になる。かつて突如として"人間"という規格が崩れ去った……たったそれだけで法は意味を失い、文明が歩みを止めた。まさに「荒廃」」

虹美「超常が起きなければ、今頃の人類は恒星間旅行を楽しんでいたと、本に書いてありました」

オールマイト「そう…そんな混沌の時代にあって、一早くまとめ上げた人物がいた」

虹美「その人物こそが、オール・フォー・ワン…」

オールマイト「そうだ、彼は人々から個性を奪い、圧倒的な力によってその勢力は拡げていった。計画的に人を動かし、思うままに悪行を積んでいった彼は、瞬く間に"悪"の支配者として日本に君臨した」

悪の支配者…

虹美「その話が、ワン・フォー・オールとどう繋がっていくんですか？」