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SHRのじかんにそれは起こった。


「おはようございます。今日はみんなに大ニュースがありまーす。」


担任の声に嫌な汗が背中を流れた。


「このクラスの東条弦君が小説コンクールの最優秀賞を獲りました!みんな拍手!」


教室中に驚きの声が上がった。



「なになに?!ゆずるんそんな特技あったのー?」


いつもうるさい女


「えー、ゆずるん文豪じゃん?」


ナルシストフツメン


「やばい、クソ陰キャな特技じゃん」


お前に言われたくないよボッチ


「うるせーよお前ら、いちいち騒ぐなよ」


「もぉ〜、ゆずるんツンデレ〜」


もう、本当に鬱陶しい、僕がいつお前にデレたっていうんだよ。


陰キャでも陽キャでもない微妙な立ち位置が陽キャのいじられキャラとして定着してしまったクラスでは嫌われてはいないがたまにされる執拗ないじりに僕は嫌気がさしていた


だから、あまり目立たないようにしてたのに。


あーあ、本当に学校って面倒くさい。


木村は自分が僕を目立たせてやってクラスの子とのコミュニケーションを取らせてやった、良いことをしたとでも思っているのか満足気な表情だ。


やっとのことでSHRが終わり、一限目の準備をしていた


「あ、東条君。私もその小説コンクールに応募してたんだよね。」


急に喋りかけてきたのは、喋ったことのない陰よりの女子の澤木だった。


「へぇ、どうだった?」


「これ、見ればわかると思うけど参加賞だったんだよねー。」


そう言って、金の文字で高校生小説コンクールと彫られた鉛筆三本を僕に見せた。


「そうか、次頑張れ。」


僕が席に座ろうとすると彼女はまた僕を引き止めた


「あ、あのもし良ければなんだけど。作品交換してみて、お互いの作品に感想し合わない?」


「べつにいいけど、僕感想とか言うの初めてだからあんまし良いの書けないよ」


「それでも良いの!最優秀賞の作品読んでみたいし!」


クラスメートに作品をみてもらうのは初めてなので少し気が引けたが澤木なら真面目だし良いか。


僕は作品を机の中から取り出して澤木に渡した。


澤木は自分の作品を僕に渡して、一目散に友達のグループに入っていった。


____________________3_____________________

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作者名: | 作成日時:2019年8月30日 22時

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