38 尾行の末 貴女side ページ40
彼が白なことは分かったが、できれば組織に潜入したいので、私に課せられたミッションはまだ終わらない。
透さんの家の前で動きがあるのを待つ。
彼が車に乗って出かけたので、ハーレーに乗って追いかける。
今日はポアロのバイトはないので、私用か公安か組織の用で動いているはず。
駐車場に車を停め、しばらく歩く。
彼が入っていったのは路地裏だった。さすがにそこに入るとバレてしまうので、路地に入る道のそばで携帯の地図アプリを開く。
路地は続くようだが、出れるところが多すぎる。
どこに向かうのか検討もつかないので、ここで待つことにした。
しばらくして黒っぽいスーツを着た男、足取りが怪しい男が路地に入っていった。
何かの取引かもしれない。
携帯の内カメラをつかって様子を見ようとするが、角を曲がった先にいるらしく、映らない。
「〜〜〜!!」
言葉は分からないが、叫び声と、物音。
トラブル?
スーツの男の方が腹を抱えながら、走り去って行った。地面にはぽたぽたと血の跡。
再び携帯の内カメラを使うと、刃物を持ちこちらへ走ってくる男が。
このまま大通りに出られたらよろしくないわね。
路地に入った所で待ち構える。男は一瞬怯んだが、刃物を振りかぶり近付いてくる。そしてその男の向こうに、拳銃を構えた透さん。
「Aっ!!?」
刃物をかわし、腹に1発拳をいれる。
怯んだところで刃物を持つ手を蹴り飛ばした。
「このアマっ!!!」
両手を広げ襲いかかってくるが、さっきの拳が効いたのか、動きが鈍い。もう1発腹に食らわせると、男は倒れ込んだ。
「彼女、やるじゃない。」
背後から現れたのは、ベルモット。
「どうしてあなたがここに...つけてきたんですか?」
「たまたま通りかかっただけよ。そしたら血の跡を見つけて心配して見に来てあげただけ。」
つけてきたのは私です。ごめんね。
急な来客により驚くが、ポーカーフェイスに努める。
「それよりこの子、どうするの?」
この子、というのは私の事。
拳銃をしまいながら顔を顰めてこちらへ近づいてくる透さん。
「あの、私...」
「心配しないで、Kitty。それに悪いのはヘマをしたあの男だから。」
不安そうな演技をする。それより、Kitty(キティ)、つまり子猫ちゃんって...
透さんの眉間のしわがさらに濃くなった。
先程からずっと私と目を合わせてくれない。
「フフッ、いい表情ね、バーボン?
この子、私が預かるわ。」
39 選択肢 安室side→←37 路地裏にて 安室side
795人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零(プロフ) - ギャグじゃない、ぴえんって、ギャグ大好き過ぎて草ギャグ大好きな人、好きです← (2020年5月8日 4時) (レス) id: 65b70f381b (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - アオさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。ご心配ありがとうございます。作者、生きてます。更新したのでよかったらまた読んでやってくださいませ。 (2019年8月8日 22時) (レス) id: 0b29ddadeb (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - のんのんさん» お返事が遅くなって申し訳ありません。応援ありがとうございます!中々亀さん更新になってしまうのですが...頑張ります!! (2019年8月8日 22時) (レス) id: 0b29ddadeb (このIDを非表示/違反報告)
アオ - はじめまして。この作品暫く更新されていませんが、大丈夫ですか? (2018年5月5日 20時) (レス) id: e874f23264 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - すごくいい話ですね! 応援してます! 更新頑張ってください!! (2017年5月7日 17時) (レス) id: 925f4d298b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リリィ x他1人 | 作成日時:2016年5月5日 17時