25 手 貴女side ページ27
きゃあああああなどと言った悲鳴がこだまする。
普段なら死体かなにか発見された、と勘ぐってしまうところだが、もちろんそんなことはないわけで。
あたり一帯に沢山ある、絶叫マシンから聞こえてくる。
...まあ、さっきまで私もそんな声を出してしまっていたのだけれど。
｢Aさん、大丈夫ですか？｣
｢はい...大丈夫です.....｣
表情こそ本気で心配してる様に見えるが、その目の奥はどこか楽しそうで、面白がっているように見えないことも.....ないこともない...
｢ジェットコースターとか苦手でしたか？｣
｢いや...むしろ好きなんですけど久しぶりだったのでびっくりしちゃいました｣
久しぶりなのは本当。でもこんなにやつれてるのはきっと歳のせい、かも。まだまだ若いと思ってたんだけどな...
｢最初があれはきつかったですかね...
あ、次僕達の番みたいです。｣
｢うえっ、もうですか！？｣
そして今はお化け屋敷の列に並んでいる。いや、
並んでいた。
開演前、入口で待っていた時に彼からの｢何から乗りますか？｣の質問に、私が｢とりあえず定番は攻めたいですね。｣と答えたのが問題だったのだろうか。
お化けなんていないし、人だし、作り物だし、変な格好した人が突然現れるだけだし、と心の中で呟きながら、先を行く安室さんに置いていかれないようにお化け屋敷に入っていく。
｢Aさん、あー、その、怖かったら手でも繋いでおきますか？｣
｢えっ、いいんですか。ぜひお願いします！｣
手を繋げるのはありがたいけど、怖がってるのバレたのかな...恥ずかしい...。彼の表情を見たかったけど、暗くてぼんやりとしか見えない。
差し出された手はやっぱり大きくて、拳銃を使い慣れてる指のタコ。その拳銃は組織からのものなのか、...警察からのものなのか。後者であって欲しいと願った。
｢全然大したことありませんでしたね！｣
お化け屋敷の出口で笑顔輝かせながら言う彼。
｢大したことありまくりでしたよ...！！｣
一方、きっと顔を青ざめさせながら肩で呼吸する私。
何があったのかは思い出したくない。
次は穏やかなものにしましょうか、なんて苦笑いしながら話していると、彼が腕時計を見た。
｢Aさん！申し訳ないですが、少し走りましょう！｣
慌てながらそう言い、走り出した。
お化け屋敷の中から繋がれたままの、私の手を引いて。
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零(プロフ) - ギャグじゃない、ぴえんって、ギャグ大好き過ぎて草ギャグ大好きな人、好きです← (2020年5月8日 4時) (
レス) id: 65b70f381b (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - アオさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。ご心配ありがとうございます。作者、生きてます。更新したのでよかったらまた読んでやってくださいませ。 (2019年8月8日 22時) (レス) id: 0b29ddadeb (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - のんのんさん» お返事が遅くなって申し訳ありません。応援ありがとうございます！中々亀さん更新になってしまうのですが...頑張ります！！ (2019年8月8日 22時) (レス) id: 0b29ddadeb (このIDを非表示/違反報告)
アオ - はじめまして。この作品暫く更新されていませんが、大丈夫ですか？ (2018年5月5日 20時) (レス) id: e874f23264 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - すごくいい話ですね！ 応援してます！ 更新頑張ってください！！ (2017年5月7日 17時) (レス) id: 925f4d298b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ x他1人 | 作成日時：2016年5月5日 17時
