23 前夜 安室side ページ25
いよいよ明日はAさんとトロピカルランドに行く日だ。
しかし、先週くらいから(警察庁に行った後くらいかな?)なんだか、Aさんの様子がおかしい気がする。
仕事中少しうわの空のようで、オーダーを取りに行くのが遅れてしまったり、とか、お釣りの10円玉と5円玉を間違えてしまったり、とか。
...なにより、僕と話す時ぎこちない(気がする)。
最も、それまでが完璧すぎで最近の方が女子高生らしいといえば、そうなのかもしれないが。
僕に話す時ぎこちないのはなぜなんだろう。
嫌われてしまったのかな...?
...そんなことより、今は明日のことを早く連絡しなければ。
“明日は朝8時にそちらに迎えに行って大丈夫ですか?”
とまで打ったメッセージを見返す。
...やめた。すべて削除した。
“明日のこと覚えていらっしゃいますか?”
...これでいい。嫌われてしまったのなら覚えてないだろうし、覚えていたとしても忘れていた振りをして予定が入ったと言って断るだろう。
三回ほど読み直して、送信。
返事の期待と不安で思わずベッドに飛び込んでしまった。
...早く返事来ないかな.....
ブー、と手の中で携帯が震える。
そっと光る画面をみれば
“明日はトロピカルランドに行く日ですよね?”
「よかった...」
はー、と大きなため息を出し、そんな言葉を呟いた。
覚えててくれたんだ...少なくとも、とてつもなく嫌われてるようではなさそうだ。
そのメッセージに返事をしてから枕に顔を埋めた。
ついに明日、Aさんと遊園地に行くことが現実になろうとしている。
“わかりました!わざわさありがとうございます。
明日楽しみです。おやすみなさい!”
返事が来た。
“明日楽しみです。”
その部分だけ、脳内で彼女の声が再生された。
ついでに彼女の笑顔も思い浮かんだ。
明日はそれを独り占めにできる。僕だけのものだ。
“おやすみなさい。また明日!”
とだけ返事をして、携帯に充電器を挿してサイドテーブルに置いて、部屋の明かりを消した。
明日は、明日だけは(仕事の時もか)、寝坊は許されない。早く寝よう。
その夜はなかなか寝付けなかった。
せっかくAさんがメールで“おやすみなさい!”と言ってくれたのに
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零(プロフ) - ギャグじゃない、ぴえんって、ギャグ大好き過ぎて草ギャグ大好きな人、好きです← (2020年5月8日 4時) (レス) id: 65b70f381b (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - アオさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。ご心配ありがとうございます。作者、生きてます。更新したのでよかったらまた読んでやってくださいませ。 (2019年8月8日 22時) (レス) id: 0b29ddadeb (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - のんのんさん» お返事が遅くなって申し訳ありません。応援ありがとうございます!中々亀さん更新になってしまうのですが...頑張ります!! (2019年8月8日 22時) (レス) id: 0b29ddadeb (このIDを非表示/違反報告)
アオ - はじめまして。この作品暫く更新されていませんが、大丈夫ですか? (2018年5月5日 20時) (レス) id: e874f23264 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - すごくいい話ですね! 応援してます! 更新頑張ってください!! (2017年5月7日 17時) (レス) id: 925f4d298b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ x他1人 | 作成日時:2016年5月5日 17時