【安室透】喫茶店の彼女に恋して【名探偵コナン】

21 会議中 安室side ページ23

今日はポアロの仕事を早めに抜けさせてもらった。
理由は本業である公安の、定期的な会議があるからだ。
組織について得られた情報(決して多いとは言えない)をまとめた資料を持って警察庁に向かう。

いつもより周囲に気を配らないと...こんなところを組織の人間に見られたら大変だ。







警察庁の駐車場に車を停め、すっかり暗くなってしまった外を気にしながら車を出る。
車だけなら、たまたま同じ車種が、で済むが、顔はそうはいかない。僕には双子の兄も弟もいないし。






威圧的な存在感を放つ警察庁とは対照的な、明るい照明の飾りがついたいかにもファミリーレストラン、という飲食店が目に付いた。
その飲食店に一台のハーレーがやって来た。
そういえば、あの女もハーレーだったっけ、などと思いながら庁舎に入った。
あの女のハーレーは紫で、あれは白だ。
なんの問題も、ない。





いつも通りの会議が始まり、特に何の進展もなく、
本当に、いつも通り過ぎてしまったので、僕は来週のAさんとのデート...遊びに行くことを考えていた。
場所はトロピカルランド。家族連れも多いだろうが、もちろん、恋人達もたくさんいるだろう。
他の人には僕達もそう見えてしまうのだろうか。

歪んでしまいそうになる表情筋を必死に抑える。
風見の読み上げる組織の捜査状況を聞きながらにやけてしまうのは、相当ヤバイ奴だ。


確かあの遊園地にはかなりすごい、と言われるジェットコースターもあったはずだ。
Aさんは絶叫系大丈夫なのかな...
怖がってるAさん...悪くない。むしろ、イイ。


｢あの...降谷さん...？｣


表情筋はなんとか抑えられたが、意識を飛ばしていたことはバレてしまったらしい。
危うく、ヤバイ奴になるところだった。
疲れが溜まってるんですね...と言ってくれたからよかったのだが。すまない、風見。


そういえば、前にあの遊園地でジンが取引をしたとベルモットが言っていたな。
その時、当日世間を騒がせていた高校生探偵工藤新一を例の薬で殺したとか...
あの例の男が今住んでる家がその工藤新一の家、か...
これは偶然なのか？それとも...


｢降谷さん...そんなにお疲れなら休まれていた方が...｣


眉間に随分としわがよっていたらしい。
眠いのではないか、と心配をかけてしまった。

...ポーカーフェイス、できるようになろう。



_____
安室さんは自分のことドSって思ってそうだし、そう思われるんだけど、Mっ気も滲み出てる。そう信じてる。

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