【安室透】喫茶店の彼女に恋して【名探偵コナン】

28 サプライズ 貴女side ページ30

名前で呼ぶことを餌にして、安室さんに敬語をやめさせることに成功した。

理由はもちろん、後輩だからなんてことではなくて、少しでもボロ、手がかりを出させるため。
いつも敬語で話す人というのは、自分に自信のない人...もしくは、自分の感情を表に出したくない人。彼の場合はおそらく後者だ。
自信がないのにあんなエスコートしてたら...なんて考えられない。

普段の言葉遣いから見えてくるものがあるといいんだけど...



噴水での一件のあとはメリーゴーランドやコーヒーカップなど、心臓と喉に優しいのを選んでくれた。
...コーヒーカップに関しては私がずっとハンドルにしがみついてて、回されないようにしていたんだけれど。

あむ...透さんは｢そろそろお昼でも食べましょ...食べようか。｣と一応私のお願いも聞いてくれて、今日結構収穫大きいんじゃないの！？私やったね！と心の中で喜んでいたら、着信音がなった。

一応、デート？中なのに勝手に出るのはどうかと思い、透さんを見ると彼のケータイにも着信があったようで、お互いにすみませんと言って少し距離をとった。

｢もしもし？｣

『もしもし！？Aさん！？
今日、確かトロピカルランドにいるんだよね？』

電話の相手はコナン君だった。
なぜトロピカルランドにいることがわかったのだろうと思ったが、おおかた蘭から聞いたのだろうし、焦っているようなので、聞かないでおく。

｢そうだけど...どうかした？｣

『落ち着いて聞いてね、実は.....』


...なるほど、彼から聞いたことをまとめると、
トロピカルランドに爆弾がいくつか仕掛けられたらしい。今日の5時までに5億が用意できなければどかん。お客さんを避難させてもどかん。警察が園内に入ってもどかん。
しかも犯人グループはテロ集団とも言われてるので交渉に応じるわけにはいかないとのこと。

ちなみに、なぜコナン君が事件のことを知っているのかというと、たまたま探偵事務所に来ていた目暮警部から聞いたそう。



『Aさん...爆弾の解体できる？』


私に知らせがきた理由はこれだ。


｢できるできないじゃなくて...やらなきゃダメなんでしょ？｣


どうやらデート(仮)はデート(仮)でなくなりそうです。

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