誠凛高校バスケ部の主将の弟でキセキの世代の幻の７人目 (ページ24)

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２２話ページ24

✻ＭＧＢ✻
「ありがとう御座いました！」

店員さんが満面の笑みで言った｡

そう思って相手を見たら､
山積みにされたハンバーガーをトレイに持った大我君｡

並んでいたお客さんも､驚いている。

わーお､デジャブだ！

火神「…っち｡ちょっと大声出したぐらいで､あんなに怒るかよ…」

大我君は席について､ハンバーガーを食べる｡

黒子「未遂だったのに､僕も怒られました｡」

『ずっと正座だったしねー…』

火神「…？ん…むぐっ？」

そして気づいた｡

ストローをくわえて､
自分を見つめるテツ君と僕に｡

ゴクッ！

火神「また居るのかよ…しかもAもか｡つーか､店変えようかな｡」

黒子
「屋上､入れなくなっちゃったみたいですけど…
入部出来なかったらどうしましょう…」

『出来なかったら…困るね｡』

火神「ふっそれはねーだろ｡」

黒子「そうでしょうか…」

そうだといいけど…

火神
「…ん？あぁ｡ところでお前等さ､
なんで他の5人見てーに､名の知れた強豪校に行かねーんだ？

そもそも黒子は幻の6人目(シックスマン)､
Aも幻の7人目(コート上の支配者・帝光中の天使)？なんて､言われてるくらいじゃねーか｡」

テツ君と同じタイミングで､
テツ君はバニラシェイクを､僕はレモンシェイクを飲む｡

火神「お前がバスケやるのには､なにか理由があるんじゃねーの｡」

黒子
「僕が居た中学のバスケ部には､唯一無二の基本理念がありました｡
それは“勝つことが全て”｡
そのために必要だったのは､チームワークなどではなく､
ただキセキの世代が､圧倒的個人技を行使するだけのバスケット｡

それが最強だった｡けど､もはやそこにチームはなかった｡
5人は肯定してたけど､僕はなにか､
大切なものが欠落している気がしたんです｡」

火神「で…なんだよ？お前のバスケで､キセキの世代倒しでもすんのか？」

黒子「そう思ってたんですけど…」

火神「マジかよ…ｗ」

驚いてるけど､どこか楽しそうな大我君｡
僕はそれを聞いて､思わず黙り込んで､俯いてしまった｡
でも思ってる事は同じ｡

そしてもう一つ
“みんなが笑顔でプレーできるように｡”

黒子
「それより僕は､この学校で君と監督の言葉にしびれた｡
今､僕がやる一番の理由は､君とこのチームを､日本一にしたいからです｡」

火神「したいじゃねーよ｡日本一にすんだよ！」

大我君が立って､僕達を見下ろしながら言う｡

『…そうだね｡』

僕とテツ君は微笑んだ｡