月華繚乱【浦島坂田船】

・ ページ9

『A。お前はやはり私の後を継いでもらう。』



『嫌です。』



『A！！ お前が継いでくれないと、身内が居なくなってしまう者だって居るんだからな？ 考え直してくれ。どうか…。』




『……。』




『A。お前の結婚相手になりたいという奴も居るんだ。』




『……失礼します。』




『A！ 待ちなさい！！』
『………。』




『思春期、ですかねぇ。』




『雅…。』




『Aも考える事があるのでしょう。当たり前です。いきなり結婚なんて。』




『わ、笑うな雅！！』




『ふふ。貴方は本当に不器用な人で…。まぁ、Aもそんな所が似たのでしょう。』




『雅ならどうする？』




『んん…。まずは華月(ここ)のいいとこを見せてあげなければならないのでは？』




『Aは華月(ここ)で行われる事全てが嫌いだからなぁ…。』




『禿のいいとこだけをまずは切り取って見せる。見せ方とはすなわち魅せ方。これからの商売繁盛にも繋がりますよ。』





『……やってみよう。』









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A 嘉多祇(かたぎ)

・Aの父
・意外と小心者
・華月に花魁道中のルートで訪れた雅に惹かれる
・雅と両思いになった後、雅を買った



A 雅(みやび)

・Aの母
・優しさと強さを併せ持つ女性
・花魁として働いていたが、華月で働く嘉多祇に惹かれる
・嘉多祇に買われた後は、嘉多祇と華月を継ぐ

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