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そう言えば、先程の緑菊(浦田さん)はここ華月の最年長であり、リーダー的存在。
只々 花魁歴が長いというのもあるが、彼の性格が周りを惹き付けているというのもあるのだろう。
彼の事を後輩に聞けば、皆 口を揃えて『兄貴』と呼ぶ。
それくらい彼の信頼は絶大であるし、存在は偉大である。

彼は華月(うち)の要だ。





*




深碧

唐紅

梔子色

若紫





色とりどりの内掛けに囲まれているのには訳がある。
彼等へと毎朝の様にプレゼントとして送られてくるこの内掛けの選別をしなければならないからだ。
ごく稀に、薬の様な物や手作りの何かしらが入っていたりする。
申し訳ないがそれらは全て、私たち禿が処分せねばならない。

勿論、内掛けごとだ。




「A。お早うございます。……て言いましても、もうお昼なんですねぇ。おそようございます、なんて。」




クスクスと上品な笑顔を向けてくる彼は、折原 千里。
『せんり』は呼びづらいとのことで、皆『せんら』と呼んでいるのだが。


「お早う御座います、黄百合。今日の調子は?」

「ええ、お陰様で。」



彼は元 穢多身分で、酒を飲む機会というのが無かったもので、酒に非常に酔いやすいのだ。
だが、彼の性格上あまりイカサマをするのが好きではないらしく、酔ってきたであろう頃合いに私が水と差し替えている。
朝 必ず体調チェックをするのも私の役割だ。


彼の身分というのはこの時代では最下層。
彼の事を馬鹿にしたりする者はしょっちゅういる。
だが、彼のこの整いすぎている容姿を目にすれば誰もが息を飲むのだ。

それはうちの父もそうであった。

穢多身分の彼は 村で家族の働き手として農業を営んでいたが、私の父に容姿を見初められ、ここで働く事を薦めたのだ。


彼の両親は最初 反対をしていたのだが、彼が反対を押しきったのだ。





『ここまで育てて下さった貴方方に恩返しがしたいんです。どうか、行かせて下さい。』






それからは両親だけではなく、自身の村にお金を使っているのだそう。



「黄百合。今日は花魁道中の時間までお休みです。」

「ほんならAちゃん。一緒に城下町にでも行きませんか? 新しい簪を買いたいんです。」

「簪なら沢山プレゼントとして届いていますよ?」

「Aが選んだ物を着けたいんです。僕はAの物なんやーて証明したいんですよ。」




何故この人たちは、こうもこっ恥ずかしい事をいとも簡単に言えるのだろうか。

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ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (10月3日 23時) (レス) @page43 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
はおと(プロフ) - おっもしろいな〜!!!!! (2021年9月28日 15時) (レス) @page36 id: 36f12069ba (このIDを非表示/違反報告)
Haoto(プロフ) - すごく続きが気になる終わりかただ~…。面白いので、更新、できたらで良いので書いてもらえたらすごく嬉しいです…!! (2021年8月30日 3時) (レス) id: e9d14425e3 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 応援してます!頑張ってください! (2021年8月14日 14時) (レス) id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
しろ時雨(プロフ) - 主人公がかっこいい!憧れます! (2021年8月10日 8時) (レス) id: b4c51071c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雫月 彗 | 作成日時:2019年12月29日 19時

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