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どうしたものか。
欲望に忠実な生き方をしている人だとは思っていたが、ここまで素直に求められた事は無かった。
此方としては、上裸でいられると目に毒なのだが、そんな事を言い出せる雰囲気でもなく、暫く沈黙が流れる。
その間も、じっと此方の様子を窺っている赤桜は、放っておけばまた肌を掻き毟りかねない。



「…腕を貸して下さいね。」



掻き毟らないようにと添えていた手を、傷に響かないよう優しく引く。
犧″なんて言われても、付けたこともなければ付け方も知らない。
けれど、ここで『付け方を教えてくれ』などと頼める雰囲気でもない。

暫く硬直していると、思い立ったように彼は呟く。



「あ。Aはまだ(・・)やから、知らないのか。」

「はい?」



何の事をまだと称しているのか甚だ疑問だが、そんなことよりと、再び赤桜の腕と睨めっこを繰り返そうと視線を戻すと、急に視界が赤一色になる。



「いッ!」

「…付いた。」



首筋に生温い何かが這ったと思えば、相当な力で肌を吸われた。
一瞬だが、相当な痛みだった。
何が何だか分からずに彼と視線が交わる。



「鏡見てみ?」

「?」



言われるがままに鏡を除けば、赤桜が先程まで掻き毟っていたものと同じものが、自分の首筋にくっきりと遺されていた。
あまりの早業に驚きが隠せず、暫く眺めていると、「今度は僕に付けてね。」と腕を差し出される。
お手本まで見せられたのだ。
やらなければ。

変なプライドを持った私は、そのまま自分の口を彼の腕に近付けていく。
うっとりとした表情で、私の行為を眺める彼に、頼むからこっちを見ないでくれと言いそうになったが、今はそんなこと考えられそうにない。





先程 彼がしたように、自分の舌を這わせて…





「…あは。A好き。大好き。お揃いやね。消したらダメやよ。誤魔化しもダメ。ちゃんと言わんと。付けてもらった(・・・・・・・)ものやって。」

「赤お」

「優。」

「…優。ご満足いただけたんですか?」

「勿論。この痕があればええ。こっち(・・・)の痕は見たないから、Aが包帯巻いて!」



先程までが嘘のように元気を取り戻した赤桜は、意気揚々と浴場を出ていってしまった。
服びしょびしょなんだが。









「A!お風呂入ったら食堂来てね。待っとるよ。」

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ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (10月3日 23時) (レス) @page43 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
はおと(プロフ) - おっもしろいな〜!!!!! (2021年9月28日 15時) (レス) @page36 id: 36f12069ba (このIDを非表示/違反報告)
Haoto(プロフ) - すごく続きが気になる終わりかただ~…。面白いので、更新、できたらで良いので書いてもらえたらすごく嬉しいです…!! (2021年8月30日 3時) (レス) id: e9d14425e3 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 応援してます!頑張ってください! (2021年8月14日 14時) (レス) id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
しろ時雨(プロフ) - 主人公がかっこいい!憧れます! (2021年8月10日 8時) (レス) id: b4c51071c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雫月 彗 | 作成日時:2019年12月29日 19時

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