検索窓
今日:11 hit、昨日:51 hit、合計:123,137 hit

ページ14

この場で今すぐ『こいつは俺のモンなんだ』って組み敷いてやりたい。
こいつらに分からせてやりたい。
同時に、お前に分かって欲しい。



「髪はいつも通りで?」

「おう。」



風呂上がりの俺の髪を乾かしていく所からスタートするのはいつもの事。
さらりと自身の髪の中を蠢くAの手。

気持ちいい。

この気持ちよさ、いや。
これよりも もっと気持ちのいい事を彼女に、彼女の身体に教えてやりたい。
だが、この穢らわしい手で、幾人もの女を抱き潰してきたこの手で、果たして彼女に触れてもいいのか。
そんな迷いが、最近では俺をよく支配する。



「……く? 緑菊?」

「あ、何?」

「この髪型でよろしかったですか、と。」



そこには何時も通りの俺が居て、鏡の中からこちらを睨んでいる。

否、自分で睨んでいる。



「そんな怖い顔をしないで下さい。女性が逃げてしまいます。」



無意識に彼女に手が伸びる。
ぴくりとも動かずに、俺の手を受け入れてくれる彼女。
そんな事実が嬉しくて、そんな事で嬉しくなってしまって。



「ねぇ、A。接吻(キス)して…。」



懇願じゃない。
命令。
彼女にはやるという選択肢しか与えたくない。

少しだけ動揺が滲んだ彼女の瞳。
女共と夜を過ごす内に、いつの間にか瞳を見ていれば感情が分かるようになってきたのだ。



「…。」



まるで彼女以外に何も見たくないという風に彼女だけを凝視していれば、突如 隠される目元。
驚いた俺は身を引こうとしたが、それよりも早く彼女は動いた。

額に感じる柔らかな感触。
それが彼女の唇だと感じるのに、時間は掛からなかった。





命令(・・)は守りましたよ、浦田さん。」





彼奴らからは死角のこの場所。

言い方。

何をとっても完璧。







してやられたとはこの事だ。

無邪気→←支度



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (251 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
772人がお気に入り
設定タグ:浦島坂田船 , 歌い手 , 花魁
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (10月3日 23時) (レス) @page43 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
はおと(プロフ) - おっもしろいな〜!!!!! (2021年9月28日 15時) (レス) @page36 id: 36f12069ba (このIDを非表示/違反報告)
Haoto(プロフ) - すごく続きが気になる終わりかただ~…。面白いので、更新、できたらで良いので書いてもらえたらすごく嬉しいです…!! (2021年8月30日 3時) (レス) id: e9d14425e3 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 応援してます!頑張ってください! (2021年8月14日 14時) (レス) id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
しろ時雨(プロフ) - 主人公がかっこいい!憧れます! (2021年8月10日 8時) (レス) id: b4c51071c3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雫月 彗 | 作成日時:2019年12月29日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。