Last Order Luz ページ16
「アイ・オープナーを１つ下さい。」
彼女との思い出を１つ１つ辿っていこうか。
とても、とても甘美で残酷な思い出をこのカクテルと共に。
一目で心が奪われた、ということを理解した。
生まれてこのかた一目惚れなどしたこともなければ有り得ないとさえ思っていた。
だが、俺もいい年である。
恋の１つや2つは経験してきた。
だからこそ、あの胸の鼓動が恋の始まりを告げたという事実もきちんと理解していた。
「アイスブレイカー貰っていいですか？」
聞けば、彼女は年上の女性であった。
嗚呼、１つ話し忘れていた。
彼女もここの常連さんだったんだ。
酒が入ると順序というものをついつい省いてしまう。
彼女にもよく注意を受けたよ。
「キールを１つ。」
一目惚れから数日経ったある日、友人が彼女と飲み友達だと言うので、そこで初めてお話をさせてもらったんだった。
趣味や仕事のこと、それから…
彼氏がいるということ。
「ロブ・ロイを…下さい。」
けれど、醜い嫉妬を彼女には見せたくなかった。
彼女が幸せならそれでいい。
この店への最後の来店を心に決めたのだ。
そして、ちょっとした遊び心のつもりの行動を取った。
�燹屮▲廛螢灰奪肇侫�ズを彼女に。」″
もう彼女とはこれで終わりなのだと背を向けた俺に、衝撃的なことが起こった。
�燹屮轡Д蝓室鬚�◾️◾️お願いします。」″
驚愕の表情を浮かべている俺とは対照的で、余裕そうな彼女。
そして。
�燹屮錺ぅ鵐�ーラーも追加で。」″
そこからは所謂、浮気関係というものになった。
彼女は彼とずっと別れたかったらしい。
彼は随分と束縛がきついらしく、別れてくれないのだそう。
俺も彼女との未来の為、一生懸命 策を練ってみたが、どれもこれも彼には通用しなかったらしい。
そんな日々が続く中、彼女からの連絡が、ある時を以てぷつりと途絶えた。
数日後、友人からの急な連絡が入ったのと、ニュースで彼女を束縛していた彼が警察に捕まったという事実を併せて知った。
更にその数日後、香典を持って彼女の実家を訪れていた。
「ライラを…。」
空のグラスを見る度に、君の居ない虚しさを感じてしまう
隣の空席を見る度に、君の居ない絶望を感じてしまう。
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あおい - とてもおもしろい話ばかりでした。再出発の最初の意味が解説でもわかりませんでした、もう少しヒントをくれませんか？ (2020年1月7日 15時) (
レス) id: 5b3cfe97b0 (このIDを非表示/違反報告)
微風*まふらー(プロフ) - とても好きなお話ばかりで更新が楽しみになります！！少々上から目線ですが、作者様のペースで構いません。ゆっくりでも頑張ってください！！ (2020年1月4日 23時) (レス) id: 73e14a1a4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫月 彗 | 作成日時：2019年10月12日 11時
