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「で〜、お前はどーしてそこにいたわけ?」
車に揺られ、だるそうにぐで〜っと座りながら彼は言う
「名前教えたのに....」
「だってお前も俺の名前呼んでくれねーじゃん」
「そりゃ...まあ、身分というか」
「ひ〜、箱入り娘さんは面倒事がおおいねぇ〜」
煽り顔を晒すな殴りたくなる
そんな暴力的衝動を懸命に抑えながらも理性を保ってこの男と会話出来ている自分を真面目に褒めてやりたい
「五条様、これでいいですか?」
「うーん...」
嫌そうな顔して言ってやったよ
なんで好きでもない、ましてや嫌いの部類に入る男の名前なんて呼ばなきゃならないんだ...
心の中で悪態をつきながら流れてゆく外の景色をぼーっと眺める
「かたい!!!」
「....なにが...」
「敬語といい、様呼びといい、お前はとにかく硬い!」
またお前って言った...
「わかったわかった、敬語も外すし名前も五条、これでいいでしょ?」
だからもう話しかけるな喋るなというニュアンスをゴリゴリに混ぜ込んでそう言ってやった
「いいぜ、A」
きらりーんっという効果音がつきそうなほどイケメンな顔面をずいっと近づけてきてドヤ顔で名前を呼んでくる五条
「いや、近いわ離れろ」
「えー、これやって照れなかったのお前が初」
「こちとら面食いじゃないの、顔でしか女をつったことの無い奴に言われたくない」
「失礼だな、ちゃんと顔以外でもつったよ」
「つる時点で最低だよ」
もうダメだこいつ
こんな奴が六眼持ってるだけでちやほやされやがって...
世の中は不平等だ
すると、
「ていっ」
「は?」
五条は私の眉間に人差し指をグリグリ
「...なにさ」
「老けるぞ」
「余計なお世話だよ」
「俺の事嫌いなの?」
グリグリとシワを伸ばすように眉間を捏ね回しながら五条は私に問いた
「嫌いって言ったらどうするの」
「んー、別にどうもしねーかな」
そう言って再び前を向き、腕を頭の後ろでクロスして足を組む
いや、ガラわっる
こんな奴が日本救ってんの?まじ?恥じた方がいいな
「じゃあ....嫌い、大嫌いよ、あなたなんて」
なるべく目を合わせないようにそういった
五条は何も言わずに、ただ私を見ていたんだと思う
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麗(プロフ) - こちらこそすみません……… (2021年1月23日 12時) (レス) id: ac3a1d0896 (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 麗さん» すみません...どうにもできなくて...(( (2021年1月6日 21時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - あらら?? 私の方がバグってるだけですかね……… (2021年1月6日 11時) (レス) id: ac3a1d0896 (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 麗さん» あれ?私の方では「ここに」になってるんですけど....(( (2021年1月4日 14時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - それで、なんで~ のところなので多分主様々の言ってるところであってるかなと思います (2021年1月4日 12時) (レス) id: ac3a1d0896 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2020年11月21日 12時