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「 好きだ 」
「 3個下に口説かれて、絶対恋じゃねえとか思ってたけど、やっぱ無理だ。… 本当はかなり前から好きだったんだと思う 」
『 … っ、北斗くんっ、』
涙が溢れて止まらなかった。
私はくるっと振り返って抱きしめ返した。するとかなり強く抱きしめてきたから痛かった。けど、幸せすぎてずっと離れたくなかった。大好きなこの匂いを、ずっと嗅いでたい。
何分抱き合っていたのだろう。顔を見たくなって胸に埋めていた頭をあげた。
『 なんで北斗くんが泣くの、』
「 あなたほど泣いてない。泣きすぎ 」
『 北斗くんに言われたくないよ 』
頭をポンポンと撫でてくれて胸が締め付けられた。
「涙拭きなよ、」とハンカチを差し出してきた。そういうとこも大好き。サッとハンカチを出せる男性ってめちゃくちゃ素敵だと思うの。
北斗くんに出会ったあの日、話しかけてくれたあの日、ご飯を作ってくれたあの日、北斗くんへの気持ちに気づいたあの日 … 今ではもう、かなり前のことが、たった数ヶ月前のことかのように蘇ってくる。
私はこれからの生涯を、あなたと共に進みたい 。
「 一生大切にする。付き合おう 」
『 私かなり重いよ。かなり長い間あなたのこと好きだったんだよ。北斗くんからしたらっ、私なんてまだまだ子供だよ … 』
「 Aは大人だよ。あなたが思っているほど、子供じゃないよ。それに、俺の方が重い。めちゃくちゃ妬くし、余裕なくなるし、束縛だってしちゃうかも。」
『 … 北斗くんからだったら、束縛されたいよ。だいすき。妹なんて、言わないで 』
「 これからは、彼女って紹介するからね。お兄ちゃん、なんて二度と言わないで 」
きっと私たちは、似た者同士だ。お互い、かなり重たい。でも、それが心地よい。
「 これからはさ、ほくとってよんで 」
『 え、』
「 ほらはやく。よんで、ほくとって 」
『 ほくと、』
「 なあに、」
『 ほくと、だいすきっ … 』
頬、耳も真っ赤で、潤んだ瞳をした男女は、唇を重ね、世界でいちばん、愛のこもったキスをした。
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作者名:駿 | 作成日時:2021年8月23日 17時