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北斗くんは私より遥かに頭が良いことがわかり、テスト前には私が苦戦しているところを教えてもらった。先生より分かりやすかった。
『 北斗くん!教えてもらったところ、できたよ!みて、80点もとれたの! ありがとう! 』
「 すげえじゃん!Aがんばったんだね 」
北斗くんに教えてもらって高得点がとれたときは沢山褒めてくれた。親には内緒で高いアイスを奢ってくれた。
ママには「 A北斗くんのこと大好きねぇ。」なんて言われてしまった。
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今日はお気に入りの可愛い服を見に纏った。
「 Aちゃん今日は出かけるんだっけ?気をつけていってくるんだよ〜 」
『 はい、友達と。いってきます 』
誠さんは敬語じゃなくていいよって言ってくれるけど未だに敬語が抜けない。難しい。
そんなことより、久々に友達と出かける。といっても近くの小さなショッピングモールだけど。中高生のたまり場でもある。
今日遊ぶ ユイ は1番の親友で、見た目すっごく可愛くて清楚なんだけど、とても元気で明るい子。ママが再婚したことも知っている。だから唯一家族の話が出来る友達だ。
中学生ということもあり、もちろん暗くなる前には帰る。ユイとは家の方向も違うから途中でお別れだ。
「 また明日学校でね! 」
『 うん、また明日! 』
あーあ、誰か迎えにきてくれないかな〜、歩くのはとても面倒くさい。やっぱり自転車でくるべきだった。
… 北斗くんだ。
反対側の道路にいる北斗くんを見つけた。制服を着ている。ファミレスの前で友達だと思われる方々と4.5人で話している。北斗くんの友達はみんな背が高くて髪の色が明るい人もいた。
「 あれっ!? 北斗じゃない!? 」
「 まって樹くんもいる〜!!!みんないる!」
「 やっほ〜!!! 」
北斗くんの名前を呼ぶ高くて大きな声。キラキラしている可愛い女子高校生だった。私からしたらお姉さんすぎる。
『 あっ… 』
最初に 「 北斗じゃない!?」と言った人が北斗くんの腕にまとわりついていた。北斗くんは笑ってた。嫌な顔せずに。
もしかして、付き合ってるのかな?彼女さんなのかな?
胸が、チクッ とした 。みたくない、なんて思ってしまった。悲しかった。苦しかった。家に向かって、走り出した。
どうか、北斗くんに気づかれませんように。
そして、この気持ちはきっと ___
でも、封印しよう。お兄ちゃん、妹 として話せるように。
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作者名:駿 | 作成日時:2021年8月23日 17時