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北斗side
目を覚ますと、とても眩しかった。テレビから声が聞こえた。朝食のいい匂いもした。体にはブランケットがかかっていた。ここはリビングだ、俺どうやって帰ってきてどうしてここにいるんだろう。
よく見ると、俺の周りをバタバタ走り回ってる制服を着た奴がいた。
「 あれ、北斗くん起きたの。」
『 あぁ … 今、何時 』
「 7時10分。昨日のこと覚えてる? 」
『 … なんも。頭痛え 』
「 夜中に樹くんが送ってきてくれたんだよ
私が起きててよかったね 」
『 ごめん 』
あとで樹には連絡を入れておこう。後半樹に何を話したのか何も覚えていない。
「 私の顔ずっと見てるけどなんかついてる?北斗くん変だよ、酒臭いし風呂でも入ってくれば 」
『 … ごめん 』
俺の妹は、どんどん綺麗になっていっていると思う。昔からブサイクではなかったけど。
今だって、校則の緩い学校に通う妹は、しっかりと髪を整えてメイクもして。変な男に誑かされていないか心配だ。
自分でも、変な兄貴だと思う。普通の兄妹ならこんなに心配しないと思うし、送り迎えも俺ほどしないと思う、何か買ってあげたい とかも思わないはず。
とりあえず俺は今日も大学に行くため風呂に駆け込んだ。朝イチじゃなくてよかった。
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作者名:駿 | 作成日時:2021年8月23日 17時