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「 Aちゃんから、お迎え断られて、そしたら男と帰ってきた、意味わかんないって言ってた。かなり顔死んでたね 」
『 なんで … 』
それは夏の話だ。夏休みに森本くんに送ってもらったときのことだと思う。
「 北斗ってさ、ちゃんとした兄貴できてる？それ、あいつが心配してた。Aちゃんはさ、北斗のこと、どう思ってるの？ 」
『 どう思ってるって … そりゃ、』
「 優しくてかっこいいお兄ちゃん？それとも、」
『 … そうに決まってるじゃないですか(笑)樹くん、何を言ってるんですか？笑 』
「 自分の気持ち誤魔化し続けても、Aちゃんが辛いだけだと思うけどね。」
『 … 北斗くんは、私のたった1人のお兄ちゃんですよ、』
「 … そっか。家入ったら北斗に水渡してあげてね、おやすみ 」
『 … おやすみなさい、』
樹くんは、私の頭を軽く撫でて帰っていった。
なんか、私の心を全て読まれた気がした。たった数回しか会ったことがないのに、どうして。誰にもバレたことなかったのに。
「 Aっ … 」
『 … 北斗くん？ 』
「 いかな、いで… 」
『 北斗くん、水 』
「 … 」
『 寝てるの…？寝言？ 』
家の中はいると、北斗くんが何か言ってたから近寄ったけど、話しかけても反応ないからただの寝言だった。二日酔いとかになるのかな。
水をテーブルに置いて離れようとしたその瞬間、腕を掴まれた。 起きてるの？寝てるの？どっち？
「 樹と… あの男と、喋んないでっ、俺だけ… 」
『 … 酔ってるだけな癖に、』
きっと、酔ってるだけだ。この人は今寝てるし。そういうの、心臓に悪いから、期待しちゃうからやめてほしい。すぐさま手を振りほどいて自分の部屋に走った。
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作者名：駿 | 作成日時：2021年8月23日 17時
