3rd 47 ページ48
翌朝、私は日下部先生から検査結果を聞くことになった。
そして当然のように水城先生もいた。
「さて、青井先生…検査結果ですが…」
日下部先生はすぐには言ってくれなかった。
「青井先生…」
「日下部先生、早く言ってください。ドキドキしすぎて心臓が口からでそうです。」
「んなわけねぇだろ。」
「水城先生は黙っててください！」
そんな私を見て日下部先生は笑っていた。
「青井先生。検査結果ですがどこにも異常はありませんでした。今回たまたま数値が悪かっただけでした。」
「じゃあ…！」
日下部先生はニッコリと笑って私に言ってくれた。
「退院しても大丈夫です。ただし、無理は駄目ですよ。あと数日は自宅で安静にしてください。」
その言葉に私は大きく喜んだ。
「よかったです！ありがとうございます！」
「私達は何もしてませんよ。ね、水城先生。」
「俺に話をふるな。」
「またまた〜一番心配していたのに。」
「お前のその減らず口縫ってやろうか…！青井、ちょっとコイツの口縫え。」
「嫌です。ありがとうございました。私、このまま橘先生に報告してきます。」
2人にお礼を言って診察室を出た。
そのまま救命を目指していると廊下で耕ちゃんの姿を見つけた。
「耕ちゃんっ！」
私が声をかけると耕ちゃんは振り返ってくれた。
「耕ちゃん、私異常なかったよ。数日後に復帰してもいいって。」
「そうか。それはよかった。」
耕ちゃんはそう言ってくれた。
なんか…耕ちゃん元気ない？
何かあったのかな…
「耕ちゃん…何かあった…？」
私がそう訊くと耕ちゃんは少し悩んだが、話してくれた。
「…天野奏に手の震えが出た。後遺症だ。」
「え…？」
音が聞こえなくなった気がした。
「え…でも、手術は成功したんじゃ…」
「ああ。手術は成功した。でも、後遺症が出てしまった。」
自分の事のようにショックだった。
「それに…俺は約束を破ってしまった。」
耕ちゃんはそう小さく呟いた。
奏ちゃんとの約束ってたしか…耕ちゃんが手術することだよね…
え、守ったんじゃ…耕ちゃん、手術したじゃん…
「…まだ復帰じゃないんだろ。橘先生に報告したらすぐに帰って休めよ。」
そう言って私の頭を撫でたあとどこかへ行ってしまった。
耕ちゃん…
とても心配だったが私には何もできなかった。
後編に続く
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 841人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フィアー(プロフ) - 本ニャンさん» ボードに書きました・・・ (2021年2月4日 13時) (
レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - OKです！ (2021年2月4日 13時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
フィアー(プロフ) - 本ニャンさん» ここではなんですので…ボードに書いて聞きたいこと聞いていいですか？ (2021年2月4日 13時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - フィアーさん» 大丈夫だと思います！私も持っていますが、ドラマとセリフが違うところや、カットされているシーンや構成が違ったりとしていましたので！ただ、小説の方も著作物なので丸々書いてしまうのは余り良くないかもしれません。 (2021年2月4日 13時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
フィアー(プロフ) - 本ニャンさん» コードブルーの小説でも大丈夫かな？ (2021年2月4日 13時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：本ニャン | 作成日時：2019年8月20日 18時
