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少しして、耕ちゃんが来た。
「またずいぶんバタバタしてますね。」
「もうひとり来るんだ。」
そんな会話を橘先生と耕ちゃんは交わして耕ちゃんは転落患者のCTを見た。
「皮髄境界が消失してます。脳幹の圧排が強い。」
「ダメか。」
「蘇生に時間がかかりすぎましたね。」
転落の患者を救う事が出来なかった。
そして出動していた三井先生と冴島さんが帰ってきた。
「救急隊の到着時にはすでに心停止、CPRには反応しません。」
白石先生が心臓マッサージを始めた。
「まだ若いしPCPSはどうかな？」
「一度もアドレナリンに反応してません。」
「瞳孔はどうですか？」
「散大してる。白石、残念だけど諦めましょう。」
白石先生は悔しそうに患者さんから手を離した。
「そっちもダメか。」
今日は二人助けられなかった。
悔しい…
私は手を強く握った。
「CTの所見はここに書けばいいか？」
耕ちゃんが訊いて冴島さんが頷いた時だった。
「戻ってこないか？藍沢。」
橘先生が突然言い出した。
「正直厳しいんだよ、今の救命。いや、白石はスタッフリーダーとしてよく回してくれてるよ。でも人手不足はどうしようもないからさ。」
橘先生は話を続けた。
「藤川もろくに家に帰れてないだろ？フェロー達の教育もあるし、なあ。」
藤川先生は黙って橘先生を見た。
「それで緋山が戻ってきてくれた。周産期医療の勉強、中断して。感謝してるよ。」
それを聞いた三井先生は申し訳なさそうな顔つきになった。
「青井も自分の身体に注意しながらギリギリのラインでやってくれてる。それは藍沢も知っているだろ？」
私は橘先生から目を反らした。
最近思う…私の身体がもっと丈夫だったらなあ…
「それでもまだ戦力が足りない。タフに患者と向き合える医者じゃないとさ、ここには務まらない。」
この言葉はフェローにとっては重くのしかかっただろうと思う。
「藍沢、戻ってこないか？」
橘先生がもう一度強く言った。
「すみません。救命に戻るつもりはありません。」
少し間を開けて耕ちゃんはそう答えた。
カルテの記録が終わると耕ちゃんは脳外科の医局に戻って行った。
頼りになる背中は昔と全く変わらなかった。
ただ変わった事と言えば…
その背中の色は救命の紺色ではなく、脳外科を示す黒色だった事だ。
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フィアー(プロフ) - 本ニャンさん» ボードに書きました・・・ (2021年2月4日 13時) (
レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - OKです！ (2021年2月4日 13時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
フィアー(プロフ) - 本ニャンさん» ここではなんですので…ボードに書いて聞きたいこと聞いていいですか？ (2021年2月4日 13時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - フィアーさん» 大丈夫だと思います！私も持っていますが、ドラマとセリフが違うところや、カットされているシーンや構成が違ったりとしていましたので！ただ、小説の方も著作物なので丸々書いてしまうのは余り良くないかもしれません。 (2021年2月4日 13時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
フィアー(プロフ) - 本ニャンさん» コードブルーの小説でも大丈夫かな？ (2021年2月4日 13時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本ニャン | 作成日時：2019年8月20日 18時
