3rd 29 ページ30
「結婚、おめでとう！」
飲み物の入ったグラスがカチンと音を立てた。
今日は冴島さんと藤川先生の入籍祝いに来た。
まあ、藤川先生はいないのだけど。
「ありがとう。」
冴島さんと私はオレンジジュース、白石先生と緋山先生はビールをそれぞれ飲んだ。
冴島さんのお腹には藤川先生との子供がいる。
冴島さんに似て美人な子が産まれるんだろうな〜
「まさかねえ、あの藤川とホントに結婚するとは…謎だわ。」
緋山先生が心の底から不思議そうな顔をしてそう言った。
「あのちっちゃい先生でしょ？ねえ、どこがよかったのよ。」
ここ『めぐりあい』のママであるメリージェーンさんがそう訊いた。
「どこが？…うーん。」
冴島さんは真剣に悩んでいた。
「…そう聞かれると、ないかも…」
「嘘！」
真剣にそう言った冴島さんに思わずそう言ってしまった。
「一つくらい言ってやれ。」
離れた席で飲んでいた耕ちゃんがそう言った。
「まあ、やっぱり…優しいところ？」
「おおおおお。」
無難だけど、やっぱりそこが一番だよね。
まあ、藤川先生本当に優しいし。
いい旦那さんだと思うな〜
そんな事を話していたからか冴島さんの携帯に藤川先生からの着信が入った。
「優しいところがいいってよ。」
「よかったね、パパ！」
「お幸せに！」
冴島さんが電話に出たと同時に私達は電話口にそう叫んだ。
『あいつら…はるか？あのね、帰り、遅くならないようにね。駅からタクシー使いなよ。いい？』
「うわー、優しい！」
電話の内容からも藤川先生の優しさは伝わってくる。
冴島さんは一度、婚約者を亡くしているけれど…
藤川先生はきっと、田沢さんの事を忘れろなんて言わないし、絶対に幸せにしてくれるはず。
本当におめでとう、冴島さん、藤川先生。
私はグラスを持って耕ちゃんの横に行った。
「お似合いだよね、冴島さんと藤川先生。」
「そうだな。」
耕ちゃんはお酒を飲みすすめていた。
「あれから体調はどうだ？」
「安定してるよ。発作も出ないし、目眩しないし、頭も痛くない！今が1番安定してる！」
「そうか。フラグじゃなければいいな。」
「ちょっと、話振ったそっちじゃん！」
そう言って笑い合った。
こんなやり取りもあと少しかもしれない。
本当に、寂しいな…
その思いはオレンジジュースといっしょに飲み込んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 841人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フィアー(プロフ) - 本ニャンさん» ボードに書きました・・・ (2021年2月4日 13時) (
レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - OKです！ (2021年2月4日 13時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
フィアー(プロフ) - 本ニャンさん» ここではなんですので…ボードに書いて聞きたいこと聞いていいですか？ (2021年2月4日 13時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - フィアーさん» 大丈夫だと思います！私も持っていますが、ドラマとセリフが違うところや、カットされているシーンや構成が違ったりとしていましたので！ただ、小説の方も著作物なので丸々書いてしまうのは余り良くないかもしれません。 (2021年2月4日 13時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
フィアー(プロフ) - 本ニャンさん» コードブルーの小説でも大丈夫かな？ (2021年2月4日 13時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：本ニャン | 作成日時：2019年8月20日 18時
