【コード・ブルー】空へ【1stシーズン編】

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キキーッ



大きな交通事故に巻き込まれた。



バスが横転し、そこに車が何台も追突した。



大きな事故で、トリアージが行われた。



私とお母さんは裂傷や擦り傷で緑タグだった。



でもお父さんは胸を打っていて黄タグだった。



そんな…お父さんの容態が急変した。



心停止だった。



お母さんはお父さんを助けようとマッサージを始めた。



それが…いけなかったんだ。



お母さんはが激しく動いたせいで絶妙なバランスを保っていた車が二人を目掛けて落ちてきた。



私は離れた場所にいた。



車が落ち、煙がおさまったときだった。



そこには…私の知っているお母さんとお父さんはいなかった。



私は傷だらけの身体で医者を呼びに行った。



助けてくれるかもしれない。



でも…現実とはとても残酷なものだった。



「残念です。」



「え…」



医者から告げられたその言葉を理解出来なかった。



なんで…さっきまで普通に…




信じたくなかったんだ。



「お母さん！！お父さん！！」



‘‘バリッ’’



目の前の二人のトリアージが黒になった。



言葉が出なかった。



突然の事で涙も出なかった。



「まだ…まだ…大丈夫でしょ…」



「お気持ちは分かります。残念です。」



「まだ…温かいです。まだ生きてます！！」



私は下敷きになっている両親に抱き着いた。



でもすぐに医者に引き剥がされた。



何度も…何度も何度も叫んだ。



でも、二人から返事が帰ってくることはなかった。



その後私は気を失い、気が付いた時には病院だった。



心挫傷による心タンポナーデだった。



最近分かった事だけど、手術をしてくれたのは黒田先生だったそうだ。



そして、霊安室に案内された。



「遺体の損傷が激しく、火葬せざるをえませんでした。」



二人はもう骨壺に納められていた。



もう…会えないの…？



もう…話せないの…？



もう…笑えないの…？



もう…



「う…ひっ…あ…」



あの時は出なかった涙が流れた。



二人の骨壺を強く抱き締めた。



よく、二人は私を抱き締めてくれた。



それも…もうないんだ…



あの温かさは…もう…



霊安室には嗚咽だけが響いていた。

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