【アイナナ】氷を溶かすまで… (ページ16)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:51,894 hit

15話ページ16

ピピピッピピピッ

Aちゃんの脇に挟んだ体温計が鳴った。

「37度3分かぁ。そんなに高くないのに何でこんなにしんどそうなんだ？」

ミツの言うとうりだ。

37度台なんて微熱だろう…

Aちゃんを見ればまだ苦しそうに肩を上下させている。

これも少し気になるんだよな…

そこで社長から電話がかかってきた。

ソウが電話に出てくれた。

「えっと、熱は37度3分。倒れてからずっと呼吸がしずらそうな様子なんですが…え？」

ソウが驚きの声をあげた。

「はい…はい…わかりました。」

「社長、何だって？」

ソウは少し躊躇いながら口を開いた。

「管理人さん…子供の頃に喘息を患っていたらしいんだ。今は完治しているけど、熱を出すとたまに発作みたいになるらしい。」

何だって…

そして熱が低いのも元から低体温だから37度台でも俺達が38度台を出すのと同じしんどさらしい。

「だから今から病院に連れていって欲しいって。後少しで万理さんが来るらしいから！」

ソウのその言葉で俺達は支度をした。

ついていくのは俺とソウが行くことになった。

万理さんが来ると万理さんは後部座席を倒していてくれていた。

ソウが前に乗り、俺はAちゃんを膝枕し後部座席に座った。

まだ苦しそうだ。

「大丈夫だ。もう少しの辛抱だからな…」

今の俺にはそう言って背中を撫でてやることしか出来なかった。