検索窓
今日:17 hit、昨日:4 hit、合計:59,559 hit

12話 ページ13

少女は疲れたのかその場に脱力した。



『大丈夫かい』と声をかけようと近付いた時…



A「ごめんなさいっ!!」



少女はそう叫んだ。



A「ごめんなさいっ!!もうっ…もう使わないからっ!!」



太宰「!?落ち着くんだ!!」



私が肩を掴もうと手を伸ばすと…



A「触らないで!!」



手を払われた。



一瞬…目が見えた。



其の目は…何かに怯えているようだった。



A「ごめっなさい…もう…しないから…『閉じ込めないで』…」



少女の目からは涙が零れていた。



少女の手首も見えた。



今にも折れそうな手首には痣が出来ていた。



この子は…



私は少女を優しく抱き締めた。



太宰「大丈夫…もう君を閉じ込めたりはしない…」



A「嘘だ!!大人は…人は皆!!同じ事を云って私を閉じ込めた!!太宰幹部も…きっと…!!」



太宰「閉じ込めない。閉じ込めさせない。」



少女の声を遮りそう云った。



太宰「もし…君を閉じ込めさせようとする奴がいたら…私が其れから君を守る。約束しよう。」



普段は云わないような事を云った。



すると…少女の嗚咽が聞こえた。



A「ごめっなさい…て…叩いて…」



泣き乍そう云った。



私は少女…Aの髪を撫でた。



自分の外套を掛けてやり



太宰「帰ろうか、A。」



そう云って手を差し伸べた。



Aは其の手を握ってくれた。



A「ありがとう…『治さん』…」



この日はAが私の名を初めて呼んでくれた日となった。



その後、拠点に帰ると織田作は驚いていたと同時に嬉しそうだった。



森さんに報告し終った後、私はAに新しい包帯を巻いてやった。



左目…両手首…両足首…



A「治さんと…同じ…」



そう云ったAの口元は緩んでいた。



織田作も初めて見たと云っていた。



その日以降、Aの目には光が宿ったままになった。



他の構成員とも仲良くなっていた。



織田「やっと…彼奴の世界ができあがったんだ。」



織田作はそう云っていた。



其の顔は…まるで父親のようだった。



しかし…数年後、ある事件が起こった。



私が18歳…Aが16歳の時…



織田作が…タヒんだ…

13話→←11話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
100人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

本ニャン(プロフ) - hiさん» ありがとうございます。受験と両立出来るように頑張ります! (2017年10月9日 9時) (レス) id: 014e2025ab (このIDを非表示/違反報告)
hi - 凄く楽しかったですこれからも頑張ってください (2017年10月9日 9時) (レス) id: 8a1cd5ab5f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:本ニャン | 作成日時:2017年1月3日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。