3rd 55 ページ8
藍沢side
処置室で患者の受け入れ準備をしている時だった。
CS室から町田さんが勢いよく飛び出してきた。
「ヘリが…着陸に失敗しました。」
その言葉にその場は凍りついた。
「失敗？…どういうことだ？」
すぐに橘先生が町田さんに訊いた。
「わかりません。消防から着陸に失敗したとしか…墜落かもしれません。」
その言葉にさらに空気が凍りついた。
そして冴島がすでに連絡をとっており携帯は橘先生に渡された。
「白石先生につながりました。」
「白石、大丈夫か？聞こえるか？」
『…大丈夫です。ヘリが木に接触しました。バランスを崩して着陸に失敗。飛ぶのは無理です。』
「ケガは？灰谷や雪村、青井は無事か？」
『スタッフは全員無事です。患者にも接触できて治療を開始してます。』
その言葉にその場の全員が安堵した。
そして白石から患者情報が伝えられた。
『3名の患者のうち、80代の女性は意識レベル2桁、腹部に開放創、腸管が脱出してます。20代女性は骨盤骨折です。30代男性はアゴナール呼吸。脈も弱く心停止寸前です。』
そのことを伝え終えると白石からの通話は途切れた。
俺たちはその情報をもとに患者の受け入れ準備をまた再開した。
Aside
私は3名の患者のうち骨盤骨折の女性を診察していた。
女性はずっと「
「大丈夫ですよ。他の医師がしっかりと治療してくれていますからね。少し落ち着きましょう。」
女性…大島美央さんを落ち着かせるためにそう伝えたが…
状態はあまりよくなさそうだ。
白石先生が開胸して必死に心臓マッサージをしているのを見ながら私は思った。
「将君…！将君…！！」
「大島さん、大丈夫ですよ。落ち着きましょうね。」
取り乱す大島さんを私は必死に抑えた。
大島さんも骨盤骨折…
いつ急変してもおかしくない…
早く固定しないと…
そう思った時、左のこめかみの辺りから血が垂れてくる感触を感じた。
ああ…ヘリの中で強打したから…
その時に切れたのか…
そう考えていた時だった。
「先生！腸管がどんどん出てきます！」
救急隊員の切迫した声が聞こえた。
白石先生は考え、決断した。
「この男性は諦めて、他の2人を助けましょう。」
それは大島さんを絶望させるには十分な言葉だった。
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本ニャン(プロフ) - 咲空さん» ありがとうございます！劇場版も喜んで貰えるように頑張ります！！ (2022年4月5日 20時) (
レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 3rdシーズン完結お疲れ様でした！！青井先生と藍沢先生の関係性がとても魅力的で最後まで楽しく読ませていただきました(*^^*)。劇場版の方もとても楽しみにしてます✨無理のない範囲で更新頑張ってください！ (2022年4月5日 19時) (レス) @page39 id: ce397de9af (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - 夕紀潤さん» ありがとうごございます！この言葉を励みに頑張ります！！ (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - マナさん» 質問等はボードで受けます。以後、コメント欄でこのような事はしないでください。 (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
夕紀潤(プロフ) - 最初から一気読みしました。続き楽しみにしています。試験大変だと思いますが頑張ってください。 (2021年9月12日 2時) (レス) id: 965750ff3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本ニャン | 作成日時：2021年4月24日 21時
