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3rd 85 ページ38

ある日の初療室にヘリで重症膵炎の患者さんが運ばれてきた。



フェロー3人と雪村さんがその患者さんを囲み、処置を始めた。



が、誰が処置の主導権を持つかで揉め始めた。



3人それぞれの意見があるようで、そして譲らない。



前までの3人からは想像もつかない光景だ。



でも、今じゃないのよ…



そう思っていると冴島さんと藍沢先生が患者さんを運んで来た。



「中島武則さん、63歳。血圧90ー60、心拍116。裁断機に巻き込まれて右上腕骨骨折、多発肋骨骨折です。DMあり。」



「FAST再検するぞ。」



「了解。」



私達がそんなやり取りをしていると白石先生と緋山先生が揉めながら入って来た。



そんな2人でも患者さんを目の前にすると切り替えて治療にあたる。



「悪い。脊損患者のICが長引いた。」



そう言いながら入って来たのは藤川先生。



まだ右足は引きずっているし、本当はもっと療養して欲しいけど本人の希望で先週から復帰している。



「藤川、開腹止血するから、右上腕の創外固定を頼む。」



「了解。」



自分も処置を進めようと手を動かしていると隣からまたフェローの揉めている声が聞こえてきた。



全くもう…



私はため息をついた。



「…やっぱり最悪のフェロー達ね。」



「ああ。本当に手がかかる。」



「何考えているかわからないし。」



「ちょっとしたことですぐヘコむ。」



「でもプライドが高い。」



「俺達と同じだな。」



藍沢先生の言葉に私達は笑った。



10年前の私達もあんなだった。



バラバラのチームだった。



そんな私達は今、後輩たちを指導している。



10年前には想像なんてしていなかっただろう。



私達人間は独りでは何もできない。



でも、手を取り合えば解決できる事もある。



私達は独りじゃない。



頼もしい仲間たちがこんなにもいる。



10年前の私に教えてあげたい。



貴方は独りじゃないよ。



仲間に頼っていいんだよ。



「おい。」



思いにふけっていると頭の上から声がした。



「どうしたんだ。」



「…私の仲間達はとっても頼もしいな〜って思ってたの。」



「お前も頼もしいぞ。」



藍沢先生はそう言ってまた出動していった。



私はこれからも命を救い続ける。



この仲間達と共に…



3rdシーズン編 end

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本ニャン(プロフ) - 咲空さん» ありがとうございます!劇場版も喜んで貰えるように頑張ります!! (2022年4月5日 20時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 3rdシーズン完結お疲れ様でした!!青井先生と藍沢先生の関係性がとても魅力的で最後まで楽しく読ませていただきました(*^^*)。劇場版の方もとても楽しみにしてます✨無理のない範囲で更新頑張ってください! (2022年4月5日 19時) (レス) @page39 id: ce397de9af (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - 夕紀潤さん» ありがとうごございます!この言葉を励みに頑張ります!! (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - マナさん» 質問等はボードで受けます。以後、コメント欄でこのような事はしないでください。 (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
夕紀潤(プロフ) - 最初から一気読みしました。続き楽しみにしています。試験大変だと思いますが頑張ってください。 (2021年9月12日 2時) (レス) id: 965750ff3e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:本ニャン | 作成日時:2021年4月24日 21時

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