3rd 79 ページ32
藍沢先生が地下に向かってからどのくらいの時間がたったのだろう。
コンコースの方はほとんど搬送が終わっており、先ほどの慌ただしさが嘘のようだ。
「一通り頭部外傷の患者の評価は終えたので翔北に戻ります。」
新海先生が白石先生に声をかけた。
「新海先生に怪我がなくてよかった。」
「…心配ですね。藤川先生。」
白石先生の心情を察してかそう言っていた。
「情けないです…わかってたはずなのに…」
「…」
「指揮をとる人間は、患者の命だけじゃない、スタッフの命も預かってるってことを。」
白石先生は悔しそうに唇を噛み締めていた。
「ヘリ戻りました。」
救急隊員のそんな声が聞こえた。
新海先生はそっとその場を離れたのだった。
「白石先生。」
私は白石先生に声をかけていた。
「白石先生はちゃんと守ってくれているよ。私の事、ちゃんと守ってくれたでしょ。」
「青井先生…」
「白石先生が止めてくれなかったら、今頃私は地下に行って、再崩落に巻き込まれて、発作で倒れてたかもしれない。再崩落は予想外だけど、そうじゃなくても私は発作を起こしていたかもしれない。」
私は白石先生の手を取った。
「白石先生はちゃんと守れてる。自信を持って。」
「青井先生…ありがとう。ちょっと自信無くしてた。」
「藤川先生はちゃんと戻ってくる。耕ちゃんが、助けてくれるよ。」
私達は今、信じて待つことしかできない。
歯がゆさを感じるがそれしかできないのだ…
重傷者は全て運びだされ、コンコースは静まり返っていた。
「あと何人ですか？」
白石先生が消防隊員に訊いた。
「あと緑の患者が4人。全員、搬送先も決定してます。あとは…」
消防隊員は気まずそうに言いよどんだ。
「うちの医師ですね。」
白石先生ははっきりと答えた。
大丈夫、藤川先生はきっと…
そんな時、白石先生の携帯が鳴り響いた。
驚きながら白石先生は電話に出た。
そして白石先生が電話を終えると同時に緋山先生も戻って来た。
「…藤川先生、最後に救出された。今、藍沢先生と救急車でこっちに…」
そこまで言った時、ロータリーに1台の救急車が入って来た。
中から藍沢先生と冴島さんがストレッチャーと出てきた。
その上には藤川先生がいた。
無事に…戻って来た…
とても安心して、涙が止まらなかった。
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本ニャン(プロフ) - 咲空さん» ありがとうございます！劇場版も喜んで貰えるように頑張ります！！ (2022年4月5日 20時) (
レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 3rdシーズン完結お疲れ様でした！！青井先生と藍沢先生の関係性がとても魅力的で最後まで楽しく読ませていただきました(*^^*)。劇場版の方もとても楽しみにしてます✨無理のない範囲で更新頑張ってください！ (2022年4月5日 19時) (レス) @page39 id: ce397de9af (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - 夕紀潤さん» ありがとうごございます！この言葉を励みに頑張ります！！ (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - マナさん» 質問等はボードで受けます。以後、コメント欄でこのような事はしないでください。 (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
夕紀潤(プロフ) - 最初から一気読みしました。続き楽しみにしています。試験大変だと思いますが頑張ってください。 (2021年9月12日 2時) (レス) id: 965750ff3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本ニャン | 作成日時：2021年4月24日 21時
