3rd 61 ページ14
結局あの後白石先生に見つかり私は病室に戻った。
というより、連れ戻された。
経過観察入院も今日までらしく、大人しくしているようにと釘を刺された。
大人しくしているのも…暇だな…
入院って基本暇なんだよね…
こんな事思っちゃダメなんだけどね…
なんて思っていると扉がノックされた。
私が返事をすると入って来たのは新海先生だった。
私は驚いた。
「入院していると聞きまして…一応担当医でもありますし。遅くなって申し訳ありません。」
「いえいえ！新海先生も忙しいでしょうに…私こそ定期健診全然行けてませんし…」
「藍沢がいるので心配はしてませんし、カルテで情報の共有はしてますから。」
新海先生はそう言って笑っていた。
…正直、新海先生が担当医に変わっていた事忘れかけていたし…
申し訳ない…
そう思っていいるとあることを思い付いた。
「あの…新海先生にこのことを訊くのも変なんですけど…」
「何ですか？」
「こう…藍沢先生がトロント大を辞退した理由って…詳しくわかりますか…？」
私がそう訊くと新海先生はとても驚いていた。
新海先生なら何か知っているかもしれない…
そう直感的に思ったのだ。
「小さなことでもいいです！気になってしまって…あんなに新海先生と競っていた藍沢先生が突然辞退するなんて…」
「…」
新海先生は気まずそうな顔をしていた。
しかし決心したのかまっすぐと私を見た。
「あの日…天野奏ちゃんの手術の日、途中藍沢は救命に呼び出されたんです。」
「知っています。呼び出したのは…私なんです…」
私がそう言うと新海先生は驚いていた。
「もちろん、奏ちゃんが藍沢先生に手術してほしかった事も知っていました。知っていた上で私は呼び出しました。」
もしかして…私が呼び出したことが原因なのか…
心臓が嫌な音を立て始めた。
「…藍沢は手術を中断して戻り次第再開する予定でした。でも…藍沢が戻る前に俺は手術を終わらせてしまいました。今ここで俺一人で成功させたら…トロントに行けるかもしれない。汚くもそう思ってしまいました。」
その言葉で私の中ですべてつながった。
だから耕ちゃんは約束を破ったって…
真実を知ったからと言って、耕ちゃんを説得する言葉なんて見つからない…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1006人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
本ニャン(プロフ) - 咲空さん» ありがとうございます！劇場版も喜んで貰えるように頑張ります！！ (2022年4月5日 20時) (
レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 3rdシーズン完結お疲れ様でした！！青井先生と藍沢先生の関係性がとても魅力的で最後まで楽しく読ませていただきました(*^^*)。劇場版の方もとても楽しみにしてます✨無理のない範囲で更新頑張ってください！ (2022年4月5日 19時) (レス) @page39 id: ce397de9af (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - 夕紀潤さん» ありがとうごございます！この言葉を励みに頑張ります！！ (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
本ニャン(プロフ) - マナさん» 質問等はボードで受けます。以後、コメント欄でこのような事はしないでください。 (2021年9月12日 8時) (レス) id: 4aed024ceb (このIDを非表示/違反報告)
夕紀潤(プロフ) - 最初から一気読みしました。続き楽しみにしています。試験大変だと思いますが頑張ってください。 (2021年9月12日 2時) (レス) id: 965750ff3e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：本ニャン | 作成日時：2021年4月24日 21時
