【コード・ブルー】空へ【3rdシーズン後編】

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Aside



「『ドクターヘリ着陸失敗 負傷者1名死亡』…『ヘリで5分の搬送予定が救急車で20分』…か。まあ、世間は結果しか見ないし、マスコミも面白いように書くよね。」



経過観察入院中の私はネットに書かれた記事を見てそう呟いた。



まるで、ヘリが墜落したのが悪いみたいな書き方。



でも、一般の医療の知識がない人達に「これはヘリで搬送できても助からなかったかもしれない」なんて説明するのはとても難しい。



ここにあるのは「ヘリが墜落した」「そのせいでケガ人が助からなかった」ただその事実だけ。



今、私抜きで事故の聞き取り調査が行われている。



…黒田先生の時の事を思い出すな…



あの時、梶さんが必死に庇ってくれたの、嬉しかったな…



まあ、あの相馬さんって弁護士さんはあれ以来苦手になったな…



あの人もこの病院を守ろうとしているのは凄く伝わるのだけど…



尋問が怖いんだよね…



なんて呑気に考えていた。



黒田先生と田所先生にも、このこと、伝わっているよね…



2人が作ったこのドクターヘリに傷をつけてしまったな…



今まで無事故だったのに…16年間、ずっと…



1回の…たった1回の事故でも、世間は許してくれない。



悔しいな…



そう思っていると病室の扉がノックされた。



耕ちゃんか白石先生かな…？



聞き取り調査の結果を教えに来るって言ってたし。



私が返事をすると、扉を開いて入って来たのは灰谷先生だった。



私は驚いて目を見開いた。



「っ…すみませんでした。僕のせいで、青井先生に怪我を負わせてしまって…僕のせいでヘリを墜落させてしっまって…」



灰谷先生は勢いよく私に頭を下げた。



「え…あ、頭を上げて！別に私は何ともなかったし、頭を守ってなかった私も悪いし…ね？」



私は優しくそう言った。



「なんで誰も僕を責めないんですか…？僕がルール違反したのが悪いのに…」



灰谷先生はゆっくりと顔を上げながらそう言った。



「どういう事…？なんで灰谷先生を責める必要があるの…？」



私は本当にわけがわからずそう訊いた。



「僕のせいなのに…僕のせいであの患者さんを助けられなかったのに…」



灰谷先生が自分をすごく責めているのは伝わってくる…



昔の白石先生を見ているみたいだ…



でも、なんて声を掛けたらいいのか…わからない…



私が悩んでいたら知らぬ間に灰谷先生は病室を出た後だった。

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