三十 ページ32
結局
見つかったのは
腕時計の、手につける部分。
あそこはガラスでもなんでもないから無事だった。
それと、ヘッドホンの耳あての部分。
他は全部壊れてた。
耳あての部分が無事だったのが奇跡。ってぐらい。
鏡も全部粉々。
3つの部分しか探すことができなかった。
「Aさん！これは一体どういう…」
『黙れタコ』
「た、タコ！？」
殺せんせーの嘆く声を無視して、全員を見回した。
『お前らさぁ…これと同じ物、買える？』
3つの部品をぶら下げて言った。
『特に寺坂咲良…よくやってくれたねぇ……』
「な、何がだよ……そんなどこにでも売ってそうな物、すぐに見つかるぜ」『無理だね』
寺坂の言葉に食い気味に反応する。
『このヘッドホンは母さんが誕生日にくれたオーダーメイド。色、デザイン、形。全部母さんが作ってくれた。
こんな粉々になったのを、お前が全部復元できんのか』
耳あての部分を、教卓の上に置いた。
『で、この腕時計。
これは父さんが学生の頃、修学旅行で買ってきたんだって。行ってきたら？そこに。行けたらの話だけど』
「じ、じゃあ、修学旅行の場所を教えろよ！」
『知らないよ』
知るわけねぇじゃん。
「なっ…じゃあ聞けよ！今すぐ！」
『いや聞けないんだよ。いないんだから』
そう言って私は、天井を指さした。
「て、天井……？」
素っ頓狂な声を上げた木村。
『違う。もっと上』
そう言うとみんな察したようで。
「ま、まさか……」
『察しの通り。とっくの昔に他界した。
だから母さんが作ってくれたヘッドホンを肌身離さず持ってたし、父さんが持ってた腕時計も大事にしてた。
鏡もまぁ大事な物なんだけどね』
それはまた今度ってことで。
『だから…私は絶対お前らを許さない。
こうなるきっかけを作った桐ヶ谷も、これを壊した寺坂も、調子にのって煽った中村も…みんな』
掠れた声だったけど、みんなには届いたようだ。
床に落ちたカバンを手に取って、3つの部品を中に入れた。
『床に散らばってるのはどうでもいいから。好きなだけ壊せば？』
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かなた - 村瀬かなた (2022年3月3日 0時) (
レス) id: 00efd697b4 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 私、裏切り小説好きでそればっか読んでるけど、この作品トップスリーに入る位好き！ (2018年3月21日 22時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
茘枝(プロフ) - わらび餅さん» そうですね。それでは、早急に対処します。忠告ありがとうございましたm(_ _)m (2016年8月30日 8時) (レス) id: 97924ff770 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - 茘枝さん» 暴力暴言が主にキャラヘイトに入ってしまうんですね。ですから全部直すとなると難しいのではないかと思われます。ですからいっそのことパスワードにしてはいかかでしょうか。 (2016年8月30日 7時) (レス) id: bcabe2a7f4 (このIDを非表示/違反報告)
茘枝(プロフ) - わらび餅さん» 返事が遅れて申し訳ありません。ヘイトに当たりそうな場所を少し変えさせて頂きました。「ここを変えたほうが」と言うのがあればお手数ですがコメントをお願いします。主に変えたのは屋上の下りなのでそこを見てもらえれば。 (2016年8月29日 23時) (レス) id: 97924ff770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茘枝 | 作成日時：2016年2月11日 22時
