二十七 ページ28
.
携帯、筆箱、鏡…カバンに入ってる物が全部出てきた。
村松たちに手を引っ張られてるので、取りたくても取れない。
「……これよくね？」
咲良が手に取ったのは鏡。
使ったことはないけど、常備してた。
この後起こることなんて、なんとなくで予測できる。
咲良は案の定、鏡を地面に叩きつけ、思い切り殴った。
跡形もなく割れる鏡。
呆然と見つめていた。
「ははっ…傑作だな、その顔…！」
意地悪い顔で私を見てくる咲良。
その隣で寺坂がニヤニヤ笑っている。
……傑作……？
「…あ、これもいいんじゃねぇか？」
寺坂は、カバンの中から腕時計を取り出した。
…
それは……
バットを振りかぶる咲良。
『……っ
咲良ぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！』
喉が焼けるんじゃないかってほど叫んだ。
「なっ……！」
私を掴んでいた村松と吉田は、私から手を離した。
でも咲良は
バットを振り下ろすのを、やめなかった。
というより、驚いて力は緩んでいるけれど、この時計は頑丈じゃない。
壊れて動かなくなってしまった。
私も咲良も寺坂もクラスのみんなも、何も話さず、耳が痛いほどの沈黙。
「……箒とちりとり！」
それを破ったのは咲良だった。
少し声が震えている。
「神崎！箒取って！」
「えっ……それは…」
神崎は、潮田と同じようにオドオドしている。
咲良は、動こうとしない神崎にしびれを切らしたのか、次は茅野に頼んでいた。
頼まれた茅野が、中村にちりとりと箒を手渡す。
「使えないなら置いとく意味ないだろ！」
ヘッドホン、鏡、腕時計の欠片や破片を
ちりとりに集めてゴミ箱に捨てた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 491人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かなた - 村瀬かなた (2022年3月3日 0時) (
レス) id: 00efd697b4 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 私、裏切り小説好きでそればっか読んでるけど、この作品トップスリーに入る位好き！ (2018年3月21日 22時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
茘枝(プロフ) - わらび餅さん» そうですね。それでは、早急に対処します。忠告ありがとうございましたm(_ _)m (2016年8月30日 8時) (レス) id: 97924ff770 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - 茘枝さん» 暴力暴言が主にキャラヘイトに入ってしまうんですね。ですから全部直すとなると難しいのではないかと思われます。ですからいっそのことパスワードにしてはいかかでしょうか。 (2016年8月30日 7時) (レス) id: bcabe2a7f4 (このIDを非表示/違反報告)
茘枝(プロフ) - わらび餅さん» 返事が遅れて申し訳ありません。ヘイトに当たりそうな場所を少し変えさせて頂きました。「ここを変えたほうが」と言うのがあればお手数ですがコメントをお願いします。主に変えたのは屋上の下りなのでそこを見てもらえれば。 (2016年8月29日 23時) (レス) id: 97924ff770 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茘枝 | 作成日時：2016年2月11日 22時
