四十五 ページ6
「神崎さんは？」
「え、私…？私は……ほら、修学旅行で…私たち、拉致されたじゃない？」
あの時…確か、どこのグループにも入ろうとしない柊さんを、僕らが入れたんだ。
「その時…ゲームセンターで遊んでた頃の写真を見せられて、どうすればいいのかわからなかったんだけど。
《あんたはあんただからいいんじゃない？》
ってたった一言。
私のほうを全く見てなくて、興味なさげにしてたんだけどね。
殺せんせーの言葉でも救われたけど、柊さんの言葉で気がラクになったの」
あんたはあんただから……
…
「僕も同じようなこと言われた…」
「へぇ…なに言われたの？」
カルマくんが、ニヤニヤしながら聞いてきた。
なにを期待してるの…。
「柊さんが転入してきて、みんな柊さんの周りに集まったでしょ？」
「あぁ…あの時の自己紹介は印象に残った」
磯貝くんの言葉に、イトナくんはキョトンとしてる。
「なんて言ったんだ？」
「確か……」
《柊です。元B組でした》
それだけ。
笑みもなにも浮かべず、業務連絡みたいに淡々とそう言った。
苗字だけ言って、名前を言わず。
よろしく、も何もなかったから、当時から人と付き合うつもりはなかったのだろう。
「ほんっと、みんなすごいよねー。あの自己紹介の後で話にいくって。私怖くて動けなかった」
原さんが微笑んで言った。
「ほんと。みんなが話しかけた途端、露骨に嫌そうな顔してたのに」
「へぇ…」
特徴的すぎるよ、あの自己紹介。
「それで？渚くんの続きは？」
「あっ」
すっかり忘れてた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 687人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天宮あめ(プロフ) - 中学生の頃にこの作品に出会って、社会人になった今ふと思い出して読み返してます…。この作品大好きです… (4月15日 18時) (
レス) @page43 id: e3e1e5add3 (このIDを非表示/違反報告)
ただのフルート吹き - 出てきた弟君の名前が自分の入れた主人公の名前で笑うw 入れた名前遥 (はるか) 弟君の名前遥 (はる)ではるか、はるコンビですねww (2018年9月9日 18時) (レス) id: 5df5497f85 (このIDを非表示/違反報告)
夏色ポニテ(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも応援しています！ (2016年5月24日 18時) (レス) id: 8b1d927ae9 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 主人公遂にキレましたね！！この後どう続くのか本当に楽しみです！！ (2016年5月24日 17時) (レス) id: 12dc1de63f (このIDを非表示/違反報告)
茘枝(プロフ) - ばじるそーすさん» そうですね…続編に移行するギリギリまで残しておいていいですか？移行する直前に削除しますので… (2016年5月24日 7時) (レス) id: 97924ff770 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茘枝 | 作成日時：2016年3月19日 17時
