七十六 ページ37
「寺坂……それじゃあ嘘つくに決まってるでしょ」
中村が寺坂を押しのけ、同じポーズをした。
「盗った財布、出して」
その言葉で、余計に頭が破裂しそうになった。
盗った……？
「さっきの時間に、零の財布盗ったでしょ？それを出してっつってんの」
頬杖をついて、二人を見上げる。
「……何、その目。早く出せっつってんだけど」
私は、無言で鞄を突き出した。
…………どーせ。
どーせ、入ってるに決まってる。
.
.
「……これ？零」
案の定、私の鞄の中には桐ヶ谷の物と思われる財布が入っていて。
泣きながらうなづいた桐ヶ谷。
…だろうな。
「………あんた、こんなことして何が楽しいの」
その言葉、そっくり桐ヶ谷に言えよ。
「他人の財布盗って。窃盗だよそれ」
「……お前さ、こういう時まで何にも言わねぇのかよ？」
泣いている桐ヶ谷を黙って見ていると、寺坂にそう言われた。
『……あのさ。私ずっと寝てたんだよね今の時間。だからあいつが自作自演してても気づかないの。わかる？言ってる意味。
.
あいつが自分で入れたって可能性も考えろよ低脳』
そういうと、少し額に青筋を浮かべた。
「…証拠ないじゃん？あんたが寝てたって証拠。それ出してくれるんならいいけど？」
『あんたらもないでしょ？』
頬杖をついて、中村を見上げる。
『つーか、私桐ヶ谷の財布盗むほど金に飢えてないから。同じ窃盗なら、万引きするわ』
仕送りされてるから大丈夫だし、足りなくなったら磯貝みたいにバイトすればいい。
「……ふん。そんな態度とれるのも今のうちよ」
バンッと机に手をついて、顔をズイッと近づけた。
「放課後、ここで待ってて」
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天宮あめ(プロフ) - 中学生の頃にこの作品に出会って、社会人になった今ふと思い出して読み返してます…。この作品大好きです… (4月15日 18時) (
レス) @page43 id: e3e1e5add3 (このIDを非表示/違反報告)
ただのフルート吹き - 出てきた弟君の名前が自分の入れた主人公の名前で笑うw 入れた名前遥 (はるか) 弟君の名前遥 (はる)ではるか、はるコンビですねww (2018年9月9日 18時) (レス) id: 5df5497f85 (このIDを非表示/違反報告)
夏色ポニテ(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも応援しています！ (2016年5月24日 18時) (レス) id: 8b1d927ae9 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 主人公遂にキレましたね！！この後どう続くのか本当に楽しみです！！ (2016年5月24日 17時) (レス) id: 12dc1de63f (このIDを非表示/違反報告)
茘枝(プロフ) - ばじるそーすさん» そうですね…続編に移行するギリギリまで残しておいていいですか？移行する直前に削除しますので… (2016年5月24日 7時) (レス) id: 97924ff770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茘枝 | 作成日時：2016年3月19日 17時
