君と陽の当たる場所で。【はじめしゃちょーの畑】

『傘』けんだい ページ2

だいちぃside



hapでの撮影の合間に、俺とけんすけは馴染みのローソンまで買い出しに来ている。

朝から重たい曇り空で、いつ雨が降ってもおかしくないなぁなんて思いつつ家を出たときには、けんすけが小さなビニール傘を持っていたことになんか、俺は気付きもしなかった。

買い物が終わって店を出ると、案の定雨が降っていて、やっぱりねーと、けんすけが傘を開いた。


だい「傘持ってきてたん？」

けん「うん！降りそうだったからー。」


そう言ってけんすけは、迷いなく俺を傘の下に収める。


だい「俺は女子か(笑)お前が持ってきたんだからお前がさせよ！」

傘の柄をけんすけの方に押しやろうとしたけど、まったく動かない。


け「だいちさんが濡れたら俺がやだからいいの！」


別に雨に濡れるくらい平気なんだけどな、とは思いつつ、ニコニコとそんなことを言われたら無下にもできない。


だい「じゃあ２人で入ればいいじゃん。」

け「んー、わかった。」

わかったって言ったくせに、傘の位置はほとんど変わらない。
だよな。予想通り。
相変わらずけんすけは、俺の方にばっかり傘を傾ける。

け「ウェ〜イ↑↑だいちさんと相合い傘〜↑↑」

…もうこれは何言っても無駄だ。


だい「ほんと、お前はバカだなぁ。」

け「えーなんでよ(笑)」

だい「うるせー。早く帰るぞ！」


けんすけの優しさになんだかくすぐったい気持ちになって、そんな気持ちを悟られないためにも、俺はいつもよりちょっと速足でhapに向かった。

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