【キ/ヨ】アオハルかよ。【実/況/者】

第2話 ページ3

キヨside





幼い頃から知り合いだった俺達は小学校から高校まで全部一緒だった





まあ、あと2人ぐらい中学校から一緒の奴もいるけど





フジは、昔っから女子にきゃーきゃー言われ、そいつらを使っては捨て、使っては捨て、を繰り返していた





周りのみんなはその事に薄々気づいていたが、根は優しい奴という勝手な勘違いをしている女子達はずっとまとわりついていた






そういえば、俺もフジも昔からやらかしてばかりで、問題児扱いされて、高校入学も危ういところだったもんな





でも、幸い俺らは頭はいい





おかげでこの困らないくらいのまあまあな偏差値の高校に入学することが出来た





それで…、





「…！……ヨ！」





あれ、誰かの声が聞こえる…





「…ヨ！…キヨ！！」






てか、揺さぶられてる…？？





…、





フジ「おい、キヨ…！！」





キヨ「っうわ！」





いつの間にか、俺は眠ってしまっていたみたいだった





ゆっくり目を開けると、目の前には俺を揺さぶるフジの姿があった





フジ「お前やっと起きたか！」





キヨ「…寝てた？」





フジ「それはもう、ぐっすり」





周りを見ると、みんな教科書広げて退屈そうにしている





授業中か…





フジ「まだ1限目だよ」






「今ここやってるよ」と言いながら、俺の教科書を出し、そのページを開いてくれる





でも、これはもう日常茶飯事に過ぎないし、なんなら昼まで寝ていることもある





キヨ「ん、…あ、あの転校生は？」





フジ「ああ、それが遅れてくるみたいで、まだ来てないよ」





遅れてくる…？転校初日にか？？






なかなかのヤンキー野郎だな、そいつ





俺は、急いでノートを開き、授業聞いてましたよ風な雰囲気をかもし出す






すると、フジが急に思い出したかのようにこっちに振り向く





フジ「そういえばね！転校生女子なんだって！！」





キヨ「…はあ？」





はー、もう、女子かよ。男子だったら仲良くしてやろーと思ってたのによ





ふと見ると、フジの目は猛獣のような目に変わっていた。効果音をつけるならば、ｷﾞﾗﾘって感じの





フジ「しかも、噂によると超絶可愛いらしいよー！」





キヨ「あっそ」





女子なら俺には正直関係ない





実はこう見えて俺は、色んな女との経験がある





今までに本気になった相手は…ただ、アイツだけ…





だから、関係ない








そう思っていたはずだった

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