悪女、楽しんでみようと思います。

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天鈿女命を鳴らしながら踊る。

自分でも分かった.........呪力が、消費されていく。

これやっぱやばいかも、そう思っていると、
ふと五条先生とサングラス越しに目が合った。

その目が、頑張ってと言っているような気がして。

.................弱音吐かないの、自分。

勇気が湧いてくるのを感じた。

今は神楽のことだけ考えて、他のことは気にしない。

この神楽に、本来の神楽坂Aも含めた、自分の全てを。

今までの彼女の努力も、苦しみも、悲しみも、
なにもかもこめて、天鈿女命を鳴らしたその瞬間。




"そなたが妾の生贄.........神楽坂家が産んだ逸材"


頭の中で、凛とした声が響いた。


(.........天鈿女命？)

なんとなく分かった、その声の主に問いかける。

"その通り、
そなたは...神楽坂Aであり、そうではないですね"

"本来の神楽坂Aには眠っている何かがありました。
それが目覚めれば妾も彼女を認めていたでしょうが.........
出来損ないだと言われ、彼女は苦しんでいた。
だから妾が言ったのです、
誰かに認められてから死になさいと........."

(私を神楽坂Aに転生させたのはあなたなの？)

"ええ、妾です。
妾の中で本来の神楽坂Aは生き続けています。
神楽坂Aは.........
あなたのお陰でとても幸せだと.........そう言っていますよ"

(そう.........なら、良かった)

"あなたらしく生きて.........
その約束も果たしているようですね.........
これからも、期待していますよ、神楽坂A"

(任せてください、天鈿女命)

"あぁ、それともう1つ.........神楽坂Aからです"

(神楽坂Aから.........？なんでしょうか)

"五条先生好きになるなんて苦労するわね......だそうです"

(.................はぁぁ！？！！)


"また会いましょう、神楽坂A"

(ちょ、ま、は！？待ってよ！！)












その言葉を最後に、
凛とした天鈿女命の声は聞こえなくなり、
神楽を舞い終わっていることに気がついた。














.........もう神楽どころじゃない、私が先生を好き？？

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