*LDHのお姫様*

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−トレーニングルーム





『失礼しまーす……』




トレーナー「あれ、A？」




『あの、佐野さん……いますか？』




トレーナー「佐野さんって、玲於？

いるけど、呼んだらいいかな？

玲於ー、Aが来てるよー」




玲於「あっ、はーい！」





程なくして、汗だくの佐野さんが現れた。





玲於「ごめんねこんな格好で(笑)

傘でしょ？わざわざありがとね」




『い、いえ……。

こちらこそ、ありがとうございました……』




玲於「どういたしまして。

濡れなかった？」




『大丈夫、でした……』




玲於「なら良かった。

Aちゃんが風邪引いたりしたら、

ボーカリストなのに大変だもんね」




『本当、ありがとうございました……！』




玲於「いえいえ。

ちょっとでもAちゃんと話せたし、

俺にとってもラッキーだったよ(笑)」




『……え？』




玲於「ちゃんと話したことなかったじゃん？

先輩の話とか聞いてたら、思ったより

明るくて面白い子なんだなーって思ったから

1回ちゃんと話してみたかったんだよね」




『は、はぁ……』





先輩……誰が何を吹き込んだんだ……。





玲於「まぁ、要約すると、

Aちゃんと話せてよかったってこと」




『……私も、話せて、よかった、です』




玲於「……ほんと？」




『は、はい……！

マキさんたち以外とは、まだあんまり

お話できないので……』




玲於「そっかぁ……。

あ、じゃあこれからは俺とも、もっと話そう！

俺のこと、玲於って呼んでよ！

あと、タメ口で！」




『え……！

む、無理ですそれは……！』




玲於「無理じゃなーい。決まりね！

じゃ、俺、トレーニングしてくる！」




『あ、ちょ……！』





言い逃げして佐野さんは行ってしまった。





『……玲於、』





変な感じ。

オリメンさんたちも呼び捨てなんかしないから

すっごい変な感じ。





『……ふふふ』





何故か嬉しさがこみ上げてくる感じがした。

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