*LDHのお姫様*

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剛典「……と、いうことがありまして。

Aちゃんも連れてきちゃいました」




『すいません……。

せっかくメンバーさんだけでのご飯会なのに、

私なんかがお邪魔しちゃって……』




直人「いやいや、全然。

大変だったねえ、いろいろと」




広臣「Aとプライベートで会うのレアだね。

せっかくだし、ゆっくり話そうよ」





お邪魔して、しまいました……。

岩田さんに連れられていきなりやってきた私に

皆さんびっくりしてたけど、

事情を聞いたらすぐ受け入れてくれて、

優しい言葉も沢山かけてくれる。

有り難いなあ……。








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隆二「スランプなあ……しんどいよね」





お店に入って、もうすぐ1時間ぐらい。

今は、美味しい焼肉を食べつつ

登坂さんと今市さんに相談に乗ってもらってます。





『何が正解か、分からなくなっちゃって……』




広臣「歌に正解とか無いでしょ」




『そう、なんですけど……』




隆二「スランプで悩んでる時って、

1個気になると全部が気になっちゃって

崩れてくんだよね。

その気持ちは俺もすごい分かるわ〜」




『はい……』




広臣「いつも通りが出来なくなると焦るよな。

それは分かるよ、俺も。

けど、それでもやるしかないんだよな。

こんなんで歌えないって思っても

仕事は待ってはくれないし、

ファンにはスランプとか関係ないわけじゃん。

自分が納得いくクオリティに仕上げられなくても、

タイムリミットある以上やるしかないんだよ」




『……やる、しか……』




隆二「分からないなりに続けてるうちに、

気付いたらスランプ抜けてたってこともあるしね。

スランプってマジで、些細なことから始まって

些細なきっかけで終わるからさ。

深く考えすぎないで淡々とこなすほうが

気持ち的にも楽なのかもよ」




『そういうもの、なんですかね』




広臣「てかさ、逆に言えばだよ？

さっきの岩ちゃんの話とか聞いてる限りでは、

歌だけに集中出来る環境さえ整ったら

スランプ抜け出せそうって分かってるんじゃん？

だったら、ちゃんと周りの大人と話し合って

歌に集中できる環境を作ってもらったら

それで何の問題もないんじゃないの？」




剛典「あ、やっぱ臣さんもそう思います？」




広臣「そりゃそうでしょ。

逆にそれ以外、何があんの？」




『やっぱり、そうですよねえ……』

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