TH × JK 【短編】 (ページ16)

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▽もしBTSのJUNGKOOKと偶然出逢ったらページ16

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「っ…もう！！」

ﾏｽﾀｰ「…」ﾋﾞｸｯ

彼氏に振られた、むこうの浮気で。

家に帰るなり玄関には女物の靴、部屋の向こうからは不快な声が聞こえた。

その時点で向こうの状況は分かっていた筈なのに。私の足は自然にその部屋へと向かい、扉を開ければ彼氏と知らない女が体を重ねる光景が目に映った。

私に気づいた彼はとても焦った様子だったが、女が私を見て勝ち誇ったような表情をしたのがとても頭にきて、“さよなら”の一言を放ち家を出て行った。

「普通人の家で浮気相手と〇るかぁ！？」

ﾏｽﾀｰ「Aちゃん…飲みすぎ…」

「男に捨てられて飲まない女がどこにいるのよ！」

ﾏｽﾀｰ「…」

行きつけの喫茶店で、マスターに愚痴る。

「…好きだったのにっ……」ｸﾞｽｯ

ﾏｽﾀｰ「…辛かったな。」

「うぅ…」

机に突っ伏していると、背後の扉がゆっくり開く音がした。

ﾏｽﾀｰ「お、こんな時間に珍しいお客さん。」

？「ちょっと飲みたい気分で。」ﾆｺｯ

「…？」

隣の椅子が引かれ、そこに男が座る。

男「…大丈夫ですか？この人。」

ﾏｽﾀｰ「ちょっとショックなことあったみたいで、そっとしておいてやって。」

私の顔を覗き込んだ彼と視線が交わる。

…綺麗な顔してんな～…どっかで見たことあるような。。

男「僕のこと知ってます？」

「…知らん。」

男「あれ、結構有名のつもりなんだけどな。」

「芸能界なんて興味無いもん。」

少し考えてみるけど、お酒が回った頭では何も考えられない。

男「振られちゃったんですか？ヌナ。」

「…他人に関係ないでしょ。」

男「マスターには話すのに？」

「もぉ…うるさいっ！」

男「笑」

しつこい奴め、初対面にこんな来る？

男「ヌナ、僕が慰めてあげましょうか？」

「…」

そう言って笑う彼の瞳に、何故だか吸い込まれそうになった。

「…っ、他人なんて信じちゃダメ！帰る！」

ﾏｽﾀｰ「あっ、Aちゃんお金！」

マスターの言うことには聞く耳を持たず、足早に店を出てった。

ﾏｽﾀｰ「はぁ…行っちゃったよ。」

男「僕払っときますよ。」

ﾏｽﾀｰ「…悪いなジョングガ。」

JK「…“A”か。結構好きだな、あの人。」

…彼がJUNGKOOKだったなんて、私はまだ知らない。

fin.