35話 ページ36
私はナランチャに連れられてブチャラティさんたちがいるというブドウ畑の前にある家に着いた。
みんなはナランチャがケガをして帰って来たことにも驚いていたが何よりも私が一緒にいることに1番の驚きを見せていた
ｱﾊﾞ「とにかくケガの手当だ。おいAフーゴに手当してもらえ、ナランチャお前もだ」
ﾌﾞﾁｬ「…Aの手当はオレがやろう。A、上の部屋に行くぞ」
A「…はい」
家の中に入ってから、私はまだ誰とも目を合わせられずにいた。ホルマジオが言っていた言葉が頭から離れない。
ギャングが殺した。私の両親を。
そしてその男は私の目の前で死んだ。情報が多すぎて整理ができていない。
ﾌﾞﾁｬ「腕を出してケガしたところを見せてみろ。
……ナランチャと一緒にいて、Aは何を見た？」
A「…何も。何が起こっていたのか、私には全然わかりませんでした」
今日はじめてブチャラティさんの顔を見る。なにかを迷っている顔をしている。
なにを…迷っているのだろうか
A「ホルマジオという男、言ってました。私の両親を殺したのは自分だって。ブチャラティさん、なにか知ってました？」
ﾌﾞﾁｬ「…3年前、日本人が暗殺対象になった。それしかオレは知らなかった」
A「そう、ですか」
切られた腕に包帯を丁寧に巻いてくれるブチャラティさん。
きっと彼はその日本人が私の両親だということは本当に知らなかったのだろう。それにもし知っていたとしても私は彼を恨まない。
私がホルマジオを見て思ったのは怒りでも復讐心でもなかったのだ。
A「私、こわいと思いました。ブチャラティさんと、みんなと一緒に過ごしてきて、あんなに身近に感じたはずの死を忘れていたんです。
死なないでください…私と一緒じゃダメなんですか！？一緒に…ここでいつも通りの日々を過ごすんじゃ、ダメなんですか…？」
言わないようにしていた言葉が次々と涙と共にこぼれる。
こんなこと言ってももうどうしようもないことはわかってる。ブチャラティさんを困らせるだけでこんな言葉にはなんの意味もない
ﾌﾞﾁｬ「…すまない」
手当が終わり泣いている私の涙を拭いそう一言告げるとブチャラティさんは部屋を出ていってしまった。
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鈴木(プロフ) - 星ひかりさん» コメントありがとうございます。完結までまだまだ長い時間がかかるかもしれませんが今後ともよろしくお願いします。 (2019年1月28日 0時) (
レス) id: 73a3f062ce (このIDを非表示/違反報告)
星ひかり(プロフ) - とても面白いです！ブチャラティと主人公の近すぎない？関係性がワクワクします笑 (2019年1月19日 22時) (レス) id: e88cb9089a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴木 | 作成日時：2018年12月27日 23時
