9話 ページ11
私服は何度も見たことがあるので特別に思うことはなかったが、待ち合わせよ10分前にそこにいる。ということに私は驚いていた。
いや、10分前に既にそこにいたのだから実際はもっと前からいたのだろう。
ブチャ「ん?来たか。相変わらず早いんだな」
A「お待たせしました。…どうしてこんなに早くからいたんですか?」
たまに遅れてくる奴などもいるが日本では基本的に学校などで10分前や5分前行動というものを教わる。
だが海外の人は違う。日本に比べると時間にルーズであり、前に何度かブチャラティさんたちと待ち合わせをしたが一番最初に来たのは私だったし、他のみんなは時間ぴったりか少し遅れてくる人もいた。
ブチャ「いつもAは来るのが早いなと思い日本の文化について調べたんだ。そうしたら10分前行動なんてものがあってな。レディを待たせるわけにはいかないだろう?」
”レディ”その言葉に単純な私は胸がいっぱいになった。
家を出るまで考えていた不安が一気に吹き飛ぶ。
今日はこのまま、もうバーゲンなんて行かなくていい。嫌なことが起こる前にこの幸せな気持ちのままお風呂に入りベットで眠りにつきたいとすら考えていた。
ブチャ「どうかしたか?」
A「あっ、なんでもないです!」
違う。今日はきっと嫌なことなんて起きない。
絶対にいい日になる。せっかくの好きな人とのお出かけを中止にして眠りにつくなんてありえない。
A「…グラッツェ、ブチャラティさん。」
ブチャ「?プレーゴA、早く行こう。良い品が無くなるぜ?」
私のために車のドアを開けてエスコートしてくれるブチャラティさん。
女性として見てくれないかもしれない。
そんな考えは杞憂だったようだ。
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鈴木(プロフ) - 星ひかりさん» コメントありがとうございます。完結までまだまだ長い時間がかかるかもしれませんが今後ともよろしくお願いします。 (2019年1月28日 0時) (レス) id: 73a3f062ce (このIDを非表示/違反報告)
星ひかり(プロフ) - とても面白いです!ブチャラティと主人公の近すぎない?関係性がワクワクします笑 (2019年1月19日 22時) (レス) id: e88cb9089a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴木 | 作成日時:2018年12月27日 23時